山中 健

2022 18 Nov

「シーイン(SHEIN)」 は世界のロウワーボリュームマーケットのスター

 

 シーインを見てきました。東京でなく大阪のシーインです。東京は今メディアが取り上げているので異常値だと思いますので、落ち着いた大阪へ。
 
場所は心斎橋の長堀通と心斎橋筋が交差するあたり。前にユニクロがあった場所でH&Mの前です。東京のシーインがあるキャットストリートより安定したトラフィックがある場所でファストファッションには向いた立地です。
 
行ったのは平日の午後2時ぐらい。並ぶことはありませんが程よい賑わいです。NYの時やテレビなどが報じる東京のオープン時と比べると少ないでしょうが、今のご時世のアパレルでこれだけ来るのだからやっぱり大したものです。
 
「クォリティが低い」「売場管理がなってない」とか言う業界人もいますが、批判される方は、世界のロウアーボリュームのマーケットをご覧になってないからかと思います。品揃えは日本の雑誌のスタイリストが入っているようなので日本人の好きなものだけチョイスした感じ。メンズなどはそれでも微妙なものもありますが、思わず欲しくなるものもありました。要は買い手の選び方次第です。
 
 
ジーユーとかしまむらと比べられますが、それらとはちょっと違うポジションにあるのではないかと思いました。
 
アジアや欧米の地方SCなどにあるローカルSPAと同じポジションにあるのではないでしょうか。パディーニとかAⅡZとか、カマイユとかストロベリーとか。またアマゾンやザローラで売っている低価格アイテムとか。日本の昔の夢展望も同じポジションだったのでしょう。
 
世界にはこういうロウワーマーケットがあって、シーイン はその中にあってトレンドキャッチや編集レベルやマーケティング力を持って先進プレイヤーになり、消費者がオンライン購買の経験が増えた結果、ここまで育ったと言うことです。
 
一部の報道では世界のトップ企業と肩を並べるといわれているので、商品レベルも同じように期待するのは無理ないですが、世界のロウアーマーケットのプレイヤーのシェアをとってきたと考えれば良いのかと思います。日本ではこれまで日陰にあったマーケットやニーズが炙り出されて感じですね。
 
 
ここまでメディアで取り上げられたので、日本でもシーインには厳しい目が向けられ始めています。環境保全やフェアトレード、デザイン侵害など様々な指摘がされています。その辺りも改善し、名実ともに世界のトップ企業になっていくのかウォッチしてきたいところですね。

 

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