山中 健
1ヶ月半前倒しした東コレ 若手デザイナーに注目集まる
「楽天ファッションウィーク(東京コレクション、以下東コレ)」が8月30日に始まりました。初日はフィジカルショーが3つあり、私も出席しました。
今回の東コレでの最大の話題は1ヶ月半前倒しして、8月にスタートしたこと。日本人のバイヤーやジャーナリストからすると9月から始まるウィメンズの4大コレクション(N Y、ロンドン、ミラノ、パリ)に先んじコレクションサーキットのトップに立った形です。
ただ、メンズの視点で見るとメンズコレクションサーキットは6月に終わっていますから、1ヶ月以上経っての発表ですが、以前の3ヶ月経ってのショーよりはかなり魅力的です。
この前倒しスケジュールによって期待されたのが、東京の強みであるメンズデザイナーの参加です。バイイングと同時期、もしくは少し後にショーを行うことができます。ウィメンズのデザイナーはかなり早い時期の発表となり、仕入残額がたっぷりとある時期に、コレクション発表ができることとなります。
そして、コロナ禍になって、大手小売店のバイヤーの海外渡航はほとんどなくなり、それに伴って海外デザイナー中心だった店も、国内のデザイナーに目を向けるようになっています。
実際、初日の3つのショーでは有名セレクトショップのバイヤーチームたちを見かけました。今回フィジカルショーをやるのは新人デザイナーが多いだけに、彼らにとっては大きなチャンスですね。
私は、「東京はロンドンのように新進気鋭のデザイナーが切磋琢磨し、世界を羽ばたくプラットフォームとして機能して欲しい」と思っていましたので、その成果が楽しみです。
■初日のフィジカルショー
先シーズン注目を集めた「ミカゲシン」。ジェンダーフリーと哲学的アプローチが魅力。
久々のフィジカルショーを行った「スリュー」。ヴィンテージ由来のモチーフや手法をリミックス。
「ミツルオカザキ」はピエロをイメージソースにメンズコレクションを製作。
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