山中 健
コレクションもフィジタルな発表へ
デジタルファッションウィークを終えて色々なブランドさんの話を聞くと、やはりウィズコロナ期での対応という捉え方の様です。デザイナーはやはり実物を見て欲しいと思う一方、経営側はオンライン発表によるリスクの少なさに魅力を感じている様でもあります。
ビューワーであり、コレクション取材者であり、さらにマーケティングや経営を考える身としては今後はフィジタル(フィジタル+デジタル)な取り組みが増えると思います。
パンデミックによるロックダウンされた欧州ではデジタルのみの取り組みが多かったのですが、自粛に止まったに日本ではデジタルでの発表+ショールームという組み合わせが増えています。
そんな中、印象に残ったのがTAAKKの取り組みです。ダイレクトメールを送り、その中のQRコードを読み取りムービーを見てもらうというものですが、手作り感が溢れて興味をひきます。
まず、ダイレクトメールの中にあるリリースは、森川拓野デザイナーによる手書き。筆圧の強さにデザイナーの熱い思いが伝わります。
QRコードはインビテーション風。ショーの座席番号も書いてあります。
そして驚くのは、ムービーに冒頭に私の名前が映し出されること。おそらく一つ一つ作って別々に動画共有サイト「vimeo」に投稿したのでしょう。その労苦も偲ばれ、感激です。
アナログとデジタル、パーソナルと手作り感、それぞれが相乗効果を生んでいます。ムービーも恋人にあてた手紙の様な構成となっており全てがコンセプチャル。トップメゾンがどんなにお金をかけてもでできない取り組みだったと思います。
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