山中 健
東コレ 印象に残ったショー3選
ファッションショーは、コレクションだけでなく演出も含めて作品です。そこで、印象に残ったショーを3つご紹介したいと思います。
AT TOKYOでハイライトされた、24歳の玉田翔太デザイナーが手がけるブランド「ティー(TTT_MSW)」。今回のショーは、東京プリンスの野外レストランで開催しました。アウトレイジなルックと、一つの車から全てのモデルが登場するという驚きの演出でゲストを圧倒。いつまでも余韻の残るショーでした。
セールスもブランディングもすでに整っているマメ。パリで行ったプレゼンテーションに続き、初のランウェイを東京で行いました。あまり派手にプレスへのアプローチをしてこなかったマメ。展示会場での写真NG、オフィシャル画像も時間が経ってから公開と、どこかヴェールに包まれていた感があったこともあり期待が高まります。そして、結果大満足。メジャーになる前から応援してきた方たちが、涙ぐむ場面も。皆が応援している様子が伝わるショーでした。
今シーズン増えた、オールスタンディングスタイル。ゲストや彼らが持つスマホの映り込みも演出の一つとしてランウェイを細くするケースも多く見られました。このG.V.G.Vは、広々としたローラスケート場をランウェイに。照明がリンクに反映し、床が氷のようにも。そして、この日の夜のスケジュールは、今シーズンで一番のタイトさ。開始時間に間に合わないゲストも続出したり、たくさんのゲストで混み合ったり、その混乱ぶりも一つの興奮材料になっていたかもしれません。
東京ファッションウィークが終了した後に、行われたメゾンミハラヤスヒロのショー。今季の東京で最も印象に残ったショーでした。
同ブランド20周年を祝したショーで、インビテーションには、三原氏手書きのメッセージがびっしり。決して上手と言えないのその字と文に、心が温まります。長年のパートナーとの別れと重なったため、メモリアルでロマンチックなショーになるかと思いきや、ぶっ飛んだ演出で、心底楽しめるショーでした。
会場は、秩父宮ラグビー場の裏門。ショーの開始を待っていると、トラックが警備員に導かれて侵入。トラックが開くとそこには、モデル達が・・・・。そこからランウェイに登場するという仕掛けに、ゲストは皆びっくり。さらにびっくりしたのは、トラックを誘導した警備員は、実は三原氏本人。ゲストと握手したり、おちゃらけたり・・・。彼自身、ショーを楽しんでおり、ほっこりとしました。
ファッションはやはり楽しいもの、その当たり前のことを思い出させてくれたショーでした。
演出面で選ぶと上記のブランドが特に印象に残っていますが。クリエイティビティやマーケット性というと、他にも魅力的なショーがたくさんありました。そちらはまた、別の機会にお伝えできればと思います。
(Photo by Ko Tsuchiya/via apparel-web.com)
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