山中 健

2019 28 Sep

なぜファッション業界人がファッションをディスるのか

「個性」を表現するため、または「自分をどう見せたいか」というニーズに対応して市場を広げてきたファッション業界。

 

そして今尖った個性を見せたいと思う層は減り、「人」や「コト」、そして「環境」とつながるための消費を優先するようになっています。そこで、「コト」にまつわるビジネス、コミュニティに関心が移っており、ファッション企業も参入していっています。

その結果「ファッション疲れ」「ファッションにこだわるコト自体がダサい」などの声がファッション業界に従事する人からも聞こえてきます。確かに、かつてのファッション業界のようなことはなくないですが、それでもファッションの楽しみは人にとって大事なのではないでしょうか。

私の周りにはファッションが好きな若者たちがいます。ファッションウィークの取材仲間、服飾大学の学生たち、クライアント企業の若いスタッフたち。彼のファッションを見るキラキラした目を見ると元気が出ます。

私ぐらいの年齢になると大きなトレンド変化を何度も経験していますから、世の中で新しいと言われていれるファッションも既視感があるのは事実です。しかし、それらを見る若者たちの反応を見ると違って見えるとくるから不思議です。

「今の若者はファッションに興味がない」と言いますが、私が大学生の頃も興味がある友人は一部でした。私が行っていた大学はその時期最もファッショナブルと言われてましたが、全体のレベルは今と比べものもならないくらいダサかったと思います。流通や情報のシステムが進化して、今は誰でも平均的なお洒落が出来るようになって、そこにお金や労力を費やす必要がなくなっただけだと思います。

業界人が、業界をディスるのは、生産や販売の裏側が見えるから。それをSNSなどでディスるのではなく、それぞれの仕事の中で改善していってもらいたい願うばかりです。

 

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