山中 健

2019 20 Nov

渋谷パルコは希薄大商圏型ファッションビル

 

昨日の11月19日、渋谷パルコの内覧会に行ってきました。その所感を綴りたいと思います。

まず、公園通りの坂を登って行くとその様変わりにびっくりします。元パルコパート2が「HOTEL KOE」になったことにはすでに慣れていましたが、「GAP」が「ゼビオ」になった上に、パルコが建て直したことでまるで異なる風景となりました。

そして、パルコの店内に。以前の3館体制では、パルコ1と3の部分にあたる区画が建て替えられていますが、「ペデストリアンデッキ」感はまるでなく、1階以外はどこがイースト(旧パート1区画)、どこかウエスト(旧パート3区画)なのかわからないぐらいシームレスになっており、回遊性がぐんと高まりました。

そして、店内を見回って改めて思ったのは「ファッションだらけ」。こんなにファッション店を集積させた商業施設は久しぶりです。1階から5階まで、ファッション店ばかり集積させているのにもかかわらず、各フロアの表情が変わるテナントミックスは、さすが「ファッションビルのパイオニア」であるパルコです。1階は、絶好調のラグジュアリーブランドをアンカーにしたインターナショナルゾーン。階を上がれば上がるほど、東京のローカリティを感じさせるテナントミックスとなるのも面白い点。まるで各フロアが、いろいろなファッションストリートのようです。1階は銀座、2階は青山、3階は代官山や目黒、4階は新宿の駅ビル、5階は原宿や下北沢のよう。ノンエイジ、ジェンダーレス、コスモポリタンというコンセプトに沿った上で特性を表現しています。

この館を訪れると、様々な層がファッションの楽しさを味わえるようにはなっていますが、実際の購買客は、業界人ではないファッション好き層とアジアからの旅行客になるように思います。いわゆる希薄大商圏型(低来店頻度客を広く集客する)テナント構成と言えそうです。

日本発とも言えるファッションビルをまさにアップデートした渋谷パルコ。若い層が少なくなった今の日本で、グローバルに集客し続けることが大事となるでしょうね。

 

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