内田 文雄

2021 09 Feb

TOC花盛りの中国アパレル!

こちら中国でTOC(Theory of constraints)という略語を聞きだして3年ほど経ちます。

 

いま中国の多くのアパレル企業が意識し自らの事業戦略の参考にしているのは2つのグローバル企業です。一つはユニクロ、もう一つはZARA。ご存知の通り、ユニクロは早い段階から商品企画スタートし期初企画商品をマーケティング、プロモーションを駆使した売り減らし方式、一方のZARAは期初企画は低く抑え、毎月、毎週の鮮度の高い期中企画が飯のタネとなる売り足し方式。

 

中国で流行っているTOC方式は、ZARAのように毎月、毎週のように期中企画の鮮度の高い商品を投入することと同義になります。

 

弊社クライアントはそのTOC方式を3年ほど前から取り入れたアパレルで、TOC商品比率は25-30%、期初企画商品の売れ筋追加比率(中国では快反といいます)は5-10%、計30-40%が期初企画外商品という商品構成になっています。TOC商品のメリットは?ご存知の通りシーズントレンドに引きつけた企画で売れる確率が高く、1型当たりの量は多く無いため原価率は少々高いものの、最終の値引率は低く抑えられ、消化率も高いということが挙げられます。これから2年以内にTOC商品比率を50%にまで引き上げたいという目標を掲げています。

弊社クライアントのモール内店舗

 

2020年はコロナ要因でまともに展示会が開かれず(今年2021年も影響が続いています)、各アパレル企業は加盟店に対してTOC商品をオンライン(視頻)でスタイリング、着こなしバリエーションなどを説明して発注して頂くと言うやり方をしています。この1年間で中国のアパレルの様相は革新され大きく変わりました。

 

新たなTOC商品の課題としては?実店舗VMD面との不整合という部分、つまり期初企画とTOC商品のカラーパレットが合ってもおらず、TOC商品が店舗に投入された際に、売場で様々なカラーが氾濫して汚い状態になってしまうこと。この課題に関しては、実際にクライアント指導する際に、商品企画チームに対してVMDチームの早期の参画を促しています。

 

オンラインと違いオフラインの売場は、当たり前と言えば当たり前ですが空間が有限のため、計画段階で商品企画とVMDが調整しておけば難しく無い課題なのですが、なかなか横の連携、連動をしない現状があるのです。

 

それでは!