内田 文雄

2020 25 Mar

上海の中級モールの状況は!

本日23日に2週間の自宅隔離が解除され、なかなか行けていなかったヘアカット、そして自宅近くの商業施設を見てきました。

本題の前に...上海市政府の通達で今日23日より日本から上海への渡航者については、空港での長時間に渡るPCR検査は実施するものの、自宅や宿泊施設での強制隔離は無しになりました。

もちろん、これは一時的な措置と理解していて、今後日本でのコロナウィルス感染者が増えれば、またこれまでの様に隔離が余儀なくされると思われます。

 

さて本題です。

まだ街の中心地までは足を運べていませんが、自宅近くのモール(龍之夢購物中心)を駆け足で見てきました。上海では1月の春節以降から2月中旬頃までのコロナウィルス感染が拡大した時期は、上海のほとんどの物販店がクローズされていました。

 

アパレルブランドの状況は既報の通りで、リアル店舗は運営ができず各社共にSNS(wechat、weibo)などで、自社商品を割引販売することで春物在庫を処理しています。これは今現在も継続して行われています。

 

しかし3月初め頃から徐々にではありますが、商業施設、個人店含めて当局の許可もおりて、リアル店舗が営業再開し始め、今日23日の状況を見ると上述の龍之夢購物中心で言うと、ほぼ100%営業しています(地下の一部の食料品売場は未営業でしたが)が、施設全体の客数は月曜日と言うことを差し引いても、通常の40%ほどしかいない閑散とした状況でした。

 

ではアパレル、靴、バッグ、雑貨、スポーツ関連の小売店の状況を見てみると、ほとんどのブランドが春物在庫の割引きSALEを実施しています。割引率は30%OFFから70%OFFまで様々。ただでさえ春物販売期間は短く、在庫の持ち方が苦慮される期間での、今回のコロナウィルス蔓延。各社頭を悩ませています。今年の秋に商品を持ち越し再販を検討するブランドもあれば、この3月-4月で損を出してでも換金化する企業も多い様です。余談ですが...すぐにお金になると言うことで、アパレルの中には自社ラインを使い、マスクや防護服を生産しているところもあります。

 

各社の2−3月の売上は当然ながら予算には程遠く、バラツキはあるも前比の40-50%くらい。中にはSNSでの販売強化が功を奏し前比70%まで持ち直している会社もあります。

龍之夢購物中心。客足は戻りつつあるが、まだまだ時間は掛かりそう

VERO MODA、夕方にも関わらず客0(ゼロ)

香港initialは最大70%OFF

ITも閑散としています

固定ファンが多いZARAも、夕方で30人ほどの客

adidas originalも一部50%OFF

 

商業施設側も通常は行なっていない、背に腹は変えられずテナントのプロモーション販促も露出もさせ、施設全体の集客策を実行しています。物販だけでなく、この施設の売りでもある飲食店も割引を行なっています。いつも行列が絶えないで有名な「HEYTEA(喜茶)」でさえ、閑散とした有様でした...。

有力ブランドの販促訴求を行なっています

超人気のHEYTEAですが、今は閑散としています

 

とは言え、消費者の購買行動は食品類や、コロナウィルス感染予防に欠かせない、マスク、殺菌、消毒関連等の生活必需品の購買が主で、嗜好品である服、雑貨類の購入動機が上がるまでには、まだ時間がかかりそうです。

そう言う中、あのMINISO(メイソウ)は店頭にマスク、消毒剤を並べ集客しています。価格はいつもの倍くらいしますが、販促品として半額(いつもの価格です)で販売しています...笑。マスクは30枚入りで何と99元(約1,500円)、これは高過ぎ...。でもこの辺りの商売センスは流石だと思います。日系の小売業で雑貨類を販売しているブランドさんがありますが、このMINISOのような商材を集められても面白いと思います。

MINISO店頭、いわゆるコロナが終息しだして、職場での必需品と謳っています

 

街には人が溢れ出し、活況が戻りつつある上海。先週週末は中心地のカフェなどは客が集まり、いつもの賑わいだったようです。もうすぐ4月、早く元の上海に戻ることを期待しています。

 

それでは!