内田 文雄

2020 15 Feb

コロナウィルスの中での実商売!

1月21日から春節休暇を利用した10日間のアメリカ(NY、LA)リサーチを終え、いざ上海に帰ろうとしているタイミングで、中国武漢を中心にコロナウィルス感染者が増え、武漢駐在者のチャーター便での帰国、隔離、など状況が悪化、結果として私は上海に帰ることを諦め、今は神戸自宅で待機している状態です。

 

正直言うと、春節前にここまでの感染者の拡がり、日本政府より渡航を控える様にとの状況までは想像していませんでした。中国の春節休暇期間も延期され、実店舗は閉店状態、街は人が消え、人は自宅待機を強いられ、マーケットが全く機能しない中、アパレルや小売企業も業務再開は政府より停止されている状態です。

 

今週2月10日から業務スタートという事で、地方から仕事の場である上海、北京、深圳...などの都市に帰ってくるも、感染の恐れもあることから2週間は自宅待機せよ!などの理由で出勤は許されず、社員はネットで繋がり、顔を合わせない会議などが行われています。話によると来週17日から、会社への出勤が許されるのではないか?と言われていますが、これも感染者状況次第で何とも言えません。

 

特に弊社が関わるアパレル小売業界へのコロナウィルスによる影響は大きく、実商売で見ると春物商品販売が飛んでしまっている状態。確かに自宅待機を強いられている中、ファッションは必需品から一番縁遠い存在かも知れません。もちろん生産面でも中国生産は夏物、秋冬物まで相当な影響を受けています。

各社wechatで自ブランドを値引き販売する情報を発信

 

そういう環境下でアパレル企業はだまって休んではいません、ではどんな具体的アクションをしているか?ですが、2月初旬から各社wechat、weiboなどのSNSを駆使して、春物販売をしています。物流は諸々の問題で遅れながらも稼働していて、ECで服を販売しているのです。

 

但し消費者は必需品でない服をプロパーでは買って頂けない、そうすると相当の割引(単純な値引き、多枚数購入で値引きなど)で販売をしています。背に腹はかえられぬ、という事です。

自宅待機者対象に代理を募集しているSNS

 

これ以外の方法としては、急遽SNSで自社ブランドの卸の代理先(者)を募集し、その彼らに販売マージン(上代の10%)を渡し、委託販売してもらうというやり方も行っています。要は自宅待機で何もすることがない人が多くいる中で、その彼らの余った時間と、ネットワークを使って販売してもらおうと言う手法です。

 

小売以外で見ると、弊社の様なコンサルティング業や、生徒(会員)を集め研修を担う企業も、今回のウィルス蔓延は凄く影響を受けています。例えば...或る研修会社は当初は集合して実施予定の研修を、多くの人が集合して何かをしていけないという規制のなか(接触感染の危険を減らす)、SNSでLIVE(直播)方法に切り替え会員に対して研修を行うなど、この辺りのリスクをチャンスに切り替える臨機応変さには驚いています。

 

2002-3年のSARSが流行した際に、感染を恐れ外出を控える人が続出、それを境にネット通販が盛り上がったと記憶しています。今回のコロナウィルスでも上記の通り、遠隔コミュニケーション技術が今まで以上に使われています。

 

先行きがまだまだ見えない状況ではありますが、中国状況、ニュースや、現地知人との情報交換しながら、上海に戻るために準備をしています。現在の状況が早く終息することを期待して。

 

それでは!