内田 文雄

2018 11 Jan

私が中国で起業することになったキッカケ 15!(或る中国コンサル会社との出会い編)

弊社「碧诗商务咨询 (上海)有限公司」は、2011年7月に正式認可されました。実に申請から6ヶ月も掛かりました、その内の3ヶ月は驚くなかれ社名でダメ出しを喰らい続けていました。

元々日本で「bespoke asia inc.」という個人事業会社があり、それを中国で中国語の発音に合わせて社名申請をしたのですが、「或る大手企業名に似ている」とか「2010年に開催された上海博覧会(世博)に発音が近い」とか、「発音の響きが良くない」とか...恐らく100通り以上も社名を考え、ようやく認可されたのが、上述の社名なのです。bespokeからは似ても似つかない発音の社名になりましたが、何とか認可されホッとしたことを昨日のように覚えています。

 

そこからまず最初にやったことは、名刺のデザイン、制作。名刺のデザインディレクションは日本のグラフィックデザインの知人に依頼、それを中国語に置き換えは上海人の友達にお願いをして、デザインと、紙質、光沢...に拘った名刺が完成。最初に名刺を手渡したのは苦労を掛け続けている家内でした。

それからは色んな出会う人に名刺を配り、皆さんから「独特の印象深い名刺ですね?」と言われ続け、掴みはOKと思ったものでした。

「JACK WALK」20歳から35歳がターゲット、カジュアルからスーツまで展開するブランド。最初に関わったブランドだけに思い入れは強いですね

 

 

 

上海で社名も認可されて最初の仕事は?元ユニクロの中国人同僚が経営参画していた中国のメンズブランド「JACK WALK」でした。同僚の強い要請(もちろん、私を助けようとしてくれていたのは知ってます)で、受けることにしました。業務内容はVMチーム(VM、グラフィックデザイン、LOOL BOOKスタイリング/撮影、内装デザイン)の総監の役割り。週2で約1年間やらせて頂きました。

これをやらせてもらったことで、中国アパレル企業の戦略方針、会議体の在り方、部門間の連携方法...中国式の「走りながら考える」など習得することができ、今現在の業務にも活用できています。

 

丁度その頃、現在日本でアパレルコンサルやIFI講師担っている元ワールドの黒川氏からの紹介で、広州のコンサル企業の代表を紹介してもらいました。ここは会員にアパレル企業が多く、その方々に定期的にSPA理論、実践の研修を行っていて、そこで私はVM面の理論、実践を2泊3日コースで受け持ちました。ただ驚いたのは昔の日本のスパルタ研修を彷彿させる、朝から夜中まで参加者が討議して、各チームがプレゼンする、という事をやっていることでした。若干日本式を違って捉えてないか...?とか効率が悪すぎないか?とか色々感じましたが、そのコンサル企業のカラーなので、とやかくは言わないようにしています。今でも継続して研修をやらせてもらっていますが...笑。

というように、中国での正式起業当時は色んな人に助けられました、凄く感謝しています。

 

 

元々弊社は「中国アパレル、小売業のVM支援」ということで起業しました。

翌2012年辺りから中国のファッションマーケットが大きく潮目が変わるタイミングでもありました。具体的に言うと。

①それまでの百貨店一辺倒の時代から、モールなどの新たな商業施設で買物をする時代に。消費者とのマグネットポイントの変化により、アパレル企業もモール向けに既存ブランドを再構築したり、新たなブランド開発が盛んになった。

②ユニクロ、ZARA、H&MなどグローバルSPAブランドの認知が上がり、中国アパレル企業が総SPA化に走ったり、これまでOEMで生産下請けをしていた工場が、自らブランドを立上げ小売に進出してきた。

 

この大きく2点が挙げられます。弊社もこの①②の依頼が多くなり、休みなく忙しい時間を過ごしていました。

 

次回は「日系企業との取組み編」です。

 

それでは!