生地 雅之

2023 06 Jan

店頭リサーチ「スーパーセンターオークワ」

昨年12月中旬に小職にとっては未開の地の和歌山(雪がちらつく)に行ってきました。前職では取引先(和歌山近鉄、和歌山大丸等)もあり、それなりには顔を出していたのですが、現場に精通している稀有なコンサルとして独立してからは、殆ど足が遠のいていたのです。

和歌山県は平担な場所が少ない県であり、イオンモールでさえ、2014年に和歌山(これも坂になっている場所=近々にブログ記載予定)に1店のみですが出店しており、通常のGMSが地下を掘るより上の乗せた方が安価に建築できるので、そちらに走り地下が出来にくい環境と等しいのです。(食品メインの)チェーンスーパーは食品が重いので、1Fに配置するケースも多いのですが。
​​​​​​

よって、地元スーパーのオークワが平地の少ない和歌山で平地の殆どの場所を押さえて出店しているので、オークワだらけなのです。オークワは年商2800億円弱で、営業利益率は3%程度の一大型のチェーンストアであり、一般的なGMS程度であり、特筆するほどは儲けてはいないのです。同じ食品でも売上は小さいのですが、成城石井などは高級食材やオリジナル性を武器に営業利益率10% を確保できています。

しかし、このメインのスーパーセンター店は駅から遠く、南海線和歌山市行の終点の和歌山市の手前の紀ノ川で加太(かだ)線に乗り換え東松江駅から徒歩15分程度北にある大型商業施設なのです。

館の手前には敷地内ですが単独の飲食店が並び、館は2層でテナントも殆ど有名店もなく地元専門店中心のようで、1F入口即に催事場があり、食品売場や日用品売場もあるのですが、とても暗くまともな売場ではありません。陸の孤島なので、食品価格も高く、他に買うところがないので、好きなように価格を付けているようにさえ見えるのです。

明るさは売場の命であり、過去のパリの有名百貨店などは、売場を暗くしマネキンやボディに飾った商品にスポットライトを浴びせ、商品を浮かび上がらせ良く見えるような手法を取っていた事もあり、過去に日本の百貨店もマネをしている状況だったのです。フランスの食品スーパーのカルフールが数年で撤退したのは、売場の暗さも原因の一つであると思われるのです。現在の日本では売場を明るくし、それ以上に商品を明るく見せないと「商品がよく見えなく」売れないので、これでもかと言うほど明るくしないとNGなのです。

過去に業界で有名なコンサルの方が、売場前面は最低2800ルクス以上ないとNGと言われていたのですが、最近照度計で売場の明るさを測る機会が出来調査していますが、売れている売場は3000ルクス程度と思えるのです。事務所は350~500ルクス程度で。その2800ルクスは何処から出てきた数字なのでしょうか?検証された数字なのでしょうが、なんでも鵜呑みにはできないので、疑ってかからないと。しかし当時から照度に注目されていて、提言までされる事は素晴らしいものです。

話を戻して、もし中央企業が本気で和歌山に出店すれば、この企業は壊滅すると思われるレベルなのです。勿論中央企業も出店経費高は否めないとは思われますが、何処で出店するイオンでさえ、イオンモールは1店、イオンスタイルも1店、イオンタウンも1店、イオンも1店の計4店しかないイレギュラーな県なのです。

久しぶりに酷い商業施設を目のあたりにし、この状況でのビジネスはお客様不在であり、この地域で真剣にお客様に向けば営業利益ももっと確保できると思われるのです。残念としか言いようがない施設なのです。

しかし在住の人は温かみを感じる地元の人が多いと感じるのです。東松江の駅員さんにスーパーセンターオークワの場所を聞いた時には丁寧に教えて預き、簡単な紙の地図(東松江駅周辺地図=スパー「スーパーの記載ミスか?」センターオークワ方面)まで頂き、迷わないで行けたのです。

また、帰り道は近道(判断の甘さで)と来道を通らずに、直線的な道を選んだのですが、駅を行き過ぎ5分程度余分にかかったので、帰りに乗る電車(1時間に1本程度)に間に合わないくらいぎりぎりになってしまったのです。その同じ駅員さんが笛を吹いて、20秒ほど電車を止めて預いたのです。南海電車の駅員さんに感謝・感謝です。

このような温かみのある人がいらっしゃる地域ですので、寂れずに頑張って頂きたいものです。地方をリサーチしていると人間の温かみのある対応や冷たい対応(イオンモール高岡リサーチ時の地鉄バスの運転手さんのような=ブログ参照)の温度差も感じられ、勿論その地域全員が温かいや冷たいものではないのですが、一喜一憂すべき事柄に出会うのです。「百聞は一見にしかず」なので、見に行って初めて感じる(体感・体験できる)事が多いのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。