生地 雅之
お客様への啓蒙
現在のファッション業界は、お客様への啓蒙が大きく不足しています。
例えば、TPOがあればそれ用のオケージョンに合わせたウェアが必要になるのです。携帯電話料金やゲーム費用よりも必要と思って預ければ良いのですから、
1.「ノータイでも次世代スーツスタイル」について
ファッション雑誌に掲載されている写真は素晴らしいのですが、スーツは13~35万円クラス。
バッグも10万円程度であり、アパレルや小売業の宣伝であり、雑誌社も写真や商品を提供してくれるのでこうなっているのでしょうか?一般の可処分所得のサラリーマンには見た目のみの参考程度なのでしょう。
百貨店のスーツの平均価格が79000円前後であり、紳士服チェーン店では10000円クラスから並んでいますが、そこでも最近はスーツも低迷しています。
百貨店のスーツ2着セールはプロパーのスーツ平場よりかは混雑している程度が一般的なのです。スーツに再度火を付けようとする事は否定しませんが、
団塊の世代がリタイヤしてスーツを着ないとか言い訳は沢山耳にするのですから、スーツを作業服ではない意識で、かっこよく見えればシーンに合わせてもう1着購入されることもあり、喚起すべきです。しかし、もっと一般的なご紹介をしないと広がりは仕掛けられないでしょう。
雑誌はお金を出せばなんでも出来る事を表しているのでしょうか、
メンズファッション協会の大御所は過去には「スーツスタイルはタイドアップ、ジャケットスタイルはノータイでもOK」とのコメントですし、ネクタイ協会の幹部は政府のクールビズ主導で、「ネクタイ業界は4割にシュリンクしたので、法律や条例でネクタイを締めるルールを作って欲しい」と陳情するとか過去には言われていました。
可笑しいとは思いませんでしょうか?世の中の流れを変えたいと思う気持ちは十分にわかるのですが、一般的なお客様が必要と考えて頂ける流れに変えるためには、必要と思っていただけるような価値を提供すること以外に道はありません。
このことに気づかなければ、スーツやネクタイの復活はないのですから、
2.どこかで読んだ記事の「ワイシャツの下には何を着るか」について、
小職もワイシャツの下には下着は着ませんし、カジュアルシャツの半袖は持っていますが、
ドレスシャツの半袖は持っていません。
勿論、スーツはジャストサイズですが、40歳過ぎても、鍛えていなくてもTシャツは着ます。
しかし、個人的な考え方を「すべて正論です」と押しつけることは避けたいのです。
ヨーロッパでは過去のドレスシャツには馬乗りの前後にボタンがついており、ブリーフもつけて
いなかったのです。現在一般的には、ブリーフやトランクスを履かれているのでしょうから、
どこを起点に物を考えるのかによっても、服装への考え方も異なるのですし、世の中も進歩し続けているので、どのように現在を認知して取り込むのかも重要です。
小職は服装をライフスタイル(生活様式)の一つであると捉えていますので、昔の携帯電話のない時代ではなくスマホも使用していますが、服装への考え方は可能な限り自分の考える基本に忠実でありたいのです。
小職は「ファッションは我慢である」と考えていますが、現在の利便性をすべて飲み込むのではなく、
自分の考える基本ルールを人には押し付けしないで、うまく啓蒙していきたいのです。
「ヨーロッパでは」等のグローバル化の必要性は押し付けのように捉えられかねないのですが、自身のお考えをぶらさないで、きっちりお伝えしたいのです。知ったうえで部分的にでも共感して頂きたいのです。
記事の考え方は素晴らしいのですが、読み手にそれを理解できる力量があるのかも疑問です。
個人の価値観と必要度は異なるのですから、もっとファッションへの価値観を高めたいとの思いなのです。こうしないとイケないという法律違反ではないので、上手なご提案ができればと考えているのです。
しかし、ファッション業界はお客様への啓蒙をし続けて行きたいのです。
3.「靴下・ベルト」の色の合わせ方について
靴下の色については、日本人は割とスーツの色に合わせる事が多いのです。それは靴を脱いで家に上がる慣習がなせる業なのではと思われます。欧米ではその慣習がないので、靴を履いたままであり、靴の色に合わせるのが主流とファッション歴史本で読んだ記憶があります。
スーツが紺やグレイの場合でもありますが、やはり靴の色に靴下の色を合わせるスタンスなのです。
また、ベルトの色も、できればバッグの色も靴の色に系色(同系色)に合わせるとより良いでしょう。もう一つ言えば、素材まで統一(スエードならスエードと)されると、
小職は凝り性であり、財布、キーホルダー、カードケース、コインケースまで同じ素材で、同じ色で茶系と黒系(同じブランド)で揃えており、靴も色に合わせて取り換えています。
勿論、システム手帳の皮の側(中の紙は入れ替えて)まで、、
毎日入れ替ええるのは大変ですので、今月は黒、来月は茶と決めていますが、
この凝り性を自己満足ですので、他人に押し付けることはしていませんが、
聞かれれば考え方の一つとして、お話しています。参考にされるかは別ですが、
最近はFACEtoFACEやONEtoONEマーケティングという言葉が聞かれていますが、自店顧客(現在のMDでの既存も新規も)のマスマーケティングのデータで、ど真ん中を狙わなければ、売上が取れないのです。取れていると思って、ニッチを狙っているように見えるのです。
マスマーケットが儲かるビジネスの本質ではないのでは?自店に力量によって量は異なりますが、
そのものに価値を感じ、価格以上に評価され、自店顧客が買える範囲であれば問題ないのです。
すべては商品を購買して頂くための基本なのです。
但し、自然体であれば、興味のないものにはお金を出さないので、自業界や、自社や、自店は他のカテゴリーよりも、「興味を持って預けるような啓蒙」には、今後も手を抜くわけにはにいかないのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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