生地 雅之
年始店頭リサーチ①
年始1月2日に店頭リサーチをしました。小職の目線による下記の印象を纏めましたので、ご一読下さい。
1.ららぽーと湘南平塚
やはり駅からバス(約10分)はハンディキャップです。なかなか足が向きません。バスは12分に1本と多くあるのですが、遅刻してくる販売員さんもTAXIで駆けつけている光景を見ても、
車社会ではなくなりつつあるのでしょう。よって、都心のSCも駅傍にならざるを得ないのです。
素晴らしいVPのお店はPURPLE&YELLOWであり、VP2体1SETでのコーディネイトは目に留まるものでした。棚の高さも低く女性客にも的確に見易くできていました。一つ難点はマネキンと什器で入口を閉鎖しているように見えていて、入り難くしていたのです。勿体ないです。
2.ラスカ平塚
駅立地ですが、ディリーユースのブランドショップであり、もう少し背伸びしてルミネの様にすればもっと稼げるのでしょう。勿体ないです。FAMILY対象ではなく、シングルやDINKS向けにも、、その様に見えていないのです。
3.湘南テラスモール
18年春にリニューアル予定で、入れ替えのショップの多くがクローズしていましたが、駅傍立地でもあり、十分な集客を見せ、殆ど家族連れで賑わっていました。
やはり、駅傍には勝てません。これからも鉄道トラフィックのデベロッパーの躍進は当然です。
事業計画に不備がある企業も多いので、確実なマーケティングを実施できれば大丈夫でしょう。JR系、東急系は盤石でしょうが、、
4.ルミネ横浜
いつものごとく混雑しており、素晴らしいです。
5.PORTA横浜
ここも駅地下で便利で、いつも混雑しています。特に飲食店が多いので、、
6.そごう横浜
徐々に高島屋に追いついてきており、混雑ぶりは毎年増加しています。
そこそこの入店客がありますが、やはり低層階の百貨店客と上層階のSCクラスのテナント側のお客様の違いは歴然で、そごうの看板でSC側の商品を売る事は売り易いのですが、百貨店側のお客様にとってはボディブローになる事でしょう。違うターゲット客を狙う事は良いのですが、看板を変えてやればお互いの長所を引き出せるのですから、、この手法は郊外店の生き残り策にも通用します。
7、高島屋横浜
店の中はいつものごとく混雑しているのですが、JR西口の工事の為、お客様が横浜駅コンコースの混雑ぶりは今一つでした。正月は目的買いが多く、お店にはそれなりになのですが、、
入店し難い状況は売上にどう影響してくるのか?
8.ジョイナス横浜
上記7同様
9、ラゾーナ川崎
駅傍立地でもあり、十分な集客を見せ、殆ど家族連れで賑わっていました。やはり、駅傍には勝てません。これからも鉄道トラフィックのデベロッパーの躍進は当然です。事業計画に不備がある企業も多いので、確実なマーケティングを実施できれば大丈夫でしょう。
三井不動産系のECサイト(&モール)は既に一段落して、力が入っていないのか諦めたのか、店頭告知も当初のパンフレットのみで、殆ど埋没しています。平塚ではパンフレットも見当たりません。
当初のデベロッパーのECモールの戦略の不備とマーケティング不在で苦戦と映っています。社内では巻き返しの檄は飛んでいるとは思いますが、、、、
10.東急スクエア武蔵小杉
食品売場のみ混雑
11.ららテラス武蔵小杉
食品売場のみ混雑
12、グランツリー武蔵小杉
全体的にはそこそこ入っていますが、西武(イトーヨーカドーの中に西武が場所を借りて出店)の撤退後の跡地の1stclassは、百貨店ブランド(マッキントッシュフィロソフィーやセオリーなど)を残し、少し安いブランドとコスメ・雑貨を増やしての変更を試みようとしていますが、西武の看板を下ろしての展開では余計に価格が高く感じて売り難いでしょう。
これは、セブン&アイHDGSがオムニチャネルを勘違いしており、各々のターゲットの違う顧客のマーケティングができていなく、百貨店客がこの店にも来店して買って頂けるとの認識にズレがあるのです。上から見ていると陥りやすいポイントであり、自分が百貨店客であれば、GMS客であればと自分の意識を変えて自店で買ってみれば、一目瞭然なのですから、、
オムニセブンもそごう・西武とイトーヨーカドーや赤ちゃん本舗のカートが同じであり、全く使い勝手の悪いサイトになってしまっているのですから、、
イオン碑文谷も同様で、ここには高額所得者が多く住んでいるので、エアーウィーブも売れると思い、イオンの平場でのコーナー展開で売場が閑散としているのと同様なのです。スターバックスのようにインショップ展開ならいざ知らず、、
また、数年前にイオン板橋前野店のリニューアルに際し、ワイン売場で25万円のワインを展開していた事と同じなのです。イオンのお客様の期待値とは大きく異なるのです。
大企業ではありますが、ショップ名の力に寄りかかり、高額品でもなんでも力技で売れるとの勘違いで生じる問題なのです。本当に自店の顧客をマーケティング出来ているのか甚だ疑問を感じるのです。当然グッズブランディングなどは出来ていないのですが、、
小売業はショップブランディングとグッズブランディングの掛け合わせが重要なのですが、、
13.大丸東京店
そこそこの入店客がありますが、やはり東急ハンズ側のお客様と本館側のお客様の違いは歴然で、大丸の看板でFB側の商品を売る事は売り易いのですが、百貨店側のお客様にとってはボディブローになる事でしょう。違うターゲット客を狙う事は良いのですが、看板を変えてやればお互いの長所を引き出せるのですから、、この手法は郊外店の生き残り策にも通用します。
14、高島屋日本橋店
夕方でしたが、獅子舞を入れ(昨年からのようですが)、賑わいを見せていました。
15、三越日本橋本店
この店は年末年始とも食品が賑わっており、上層階は苦しい状況で、新館も一部工事に入っていました。2日から初売りをしている三越伊勢丹唯一のお店です。
7Fの本館への連絡通路を歩いていると社員の方がふらふらとして歩いている姿を見て、残念に思いました、もう少しピリッとして頂きたいものです。小売業の社員であり、誰が見ているかわからないのですから、、その点食品売場はお客様に目が向いており素晴らしい対応でした。
小売業界は、昨年まで厳しい環境下に置かれ(今年も?)、業績が悪化している企業も多く出てきています、しかし、反対には儲かっている企業も多くあります。その差は何なのでしょうか?ずばり、経営者の力量の差なのです。
業績が良化している企業も、悪化している企業も、ビジョンは割と明確に設定されているケースも多いのですが、自社の立ち位置に認識が的確ではなく、手法が間違っている事が結果を出せない要因の大半なのです。
自社の立ち位置、実力、可能性のある領域の把握、強みと弱み、そして実践できる人材の有無がすべてを握っているか否かなのです。これを冷静な第三者目線で俯瞰してみると、自社のスタンスが見えて、ゴールとの差を直線で走るように手法を導き出す事に尽きるのです。
これを俯瞰できる経営者でないと、目標は上手く達成できません。「良い商品を作れば売れる」とか、「良い売場を確保すれば売れる」とか、様々な考えの経営者がいらっしゃるのですが、完全に間違っているのです、勿論、良い商品を企画、生産、展開する事は当然であり、良い売場を確保しての展開も重要ではありますが、経営とは大きく異なるのです。
極論を言えば、良い商品を作っても納期遅れで店頭に出なければ、、また良い売場を確保しても、商品がお客様の欲しいものでなければ意味はありません。この様な事は小売業やアパレルでは最低条件であり、「弊社は不良品は出しません」とか、「経費をブラックボックスにはしません」等のコメントを出す企業など論外なのです。
また、業績が悪化(売上や利益が減収減益)しているのに、今まで通りやりますでは、何も改善できません。今まで通りが悪いのですから、減収減益になっているのですから、何が悪いのかを見つけ、そこに手を加えなければ良化は程遠いのです。まずはその原因を見つける目線が必要であり、見つけたら悪い原因を削除し、良化に向けた施策を打つ事なのです。
経営者とは、自社が利益拡大に向けて、どの様なビジョンを示し、目的である利益拡大という戦略を自社領域内で明確に立て、手法である戦術を自社でできうる可能な枠内で設計し、それでも届かなければ、その部分を外部の「知恵」を買ってでも成し遂げさせる事が必要封可決なのです。要は部下を使って結果を出させるスキーム作りと運営が業務なのです。
今回の三陽商会やオンワード樫山、イトーヨーカドーや、昨年のそごう・西武、その前のセブン&アイホールディングス、ロフトやイオンリテールの社長の異動は、どの要素を勘案されてのものだったのでしょうか?後継者も力量の有無がまだ判らないのですが。就任後の行動等を見ると少しずつ見えてきます。右上がりに戻して頂きたいものです。
弊社のフィロソフィー
売場(リアルも画面も紙面も)以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でお客様目線にて、ヒントを見つけるプロの技の知力(気付き)と、それを拾う体力(実行力)を身につける事が、小売業やサイトの現場責任者(事業本部長クラス)に必要です。
これが企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。
弊社の事業
弊社は小売業やアパレルを中心とした現場に精通した経営コンサルティングを実践しており、「当たり前の事を当たり前のように実践できる」サポートです。企業毎により課題と戦略や手法は異なるので、個別対応させて頂いております。
A)企業ビジョン(あるべき姿)をより明確にし、現在の立位置を冷静に(第三者目線)認識し、
B)真の貴社・貴店の顧客マーケティング(お客様目線)の実行・解析により、
C)的確なマーチャンダイジングをコンサルティング(プロの業)し、
D)事業を可能にできる人材育成を(OJT)実践し、
E)営業利益の安定的拡大」(結果)を目指しています。
企業の最終目標
最終はブランドエクイティを高める事により、売上と利益は後で付いてきます。
その過程で売上規模の拡大をしながら、高い営業利益率20%超を生みだす目標としましょう。
当面(5年程度)で、売上規模を拡大しながら、営業利益率10%超を通過点と設定しましょう。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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