生地 雅之
三井ショッピングパークのECサイト=&mall
11月1日三井ショッピングパークのモール型ECサイト(&mall)がOPENしました。
ECサイト成功への一番近い処にいるのはアパレルのようなメーカーです。自社ブランドを持ち、在庫リスクもあるのですから。
その次がGMSなのです。基本的には買取ビジネスがメインなのですが、但し、自社PBの開発力(商品開発ではなく、ブランディング力)がまだまだなのです。
その次が百貨店で、PB開発の可能性(まだまだですが)もあり消化ではありますが、借り物とはいえ、有名ブランドの売場を構えているからです。
一番遠いのが場所のみを貸している商業施設デベロッパーなのです。
&mallはやはりPARCOの「カエルパルコ」(出店店舗在庫の店舗出荷での売上の後押し)でやルミネの「アイルミネ」の域を出ていません。(UIもまだまだです)リアルで出店しているテナントの商品を紹介している程度で、サイトにリスクはありません。デビュー記念として最高80%OFFのセールの乱発です。
確かにイオンの11月初旬のセールや中国の11月11日のビッグセールの前に売上を確保したいという気持ちは判るのですが、これではリアルモールの期中セ―ル乱発と何ら変わり映えしません。これはというブランドは流石にセールには参加していませんが、義理で&mallに出ている表れなのでしょう。
ブランドもリアル店舗の大半が出店していますが、ららぽーと全店(ラゾーナやダイバーシティを含む)15施設約3600店舗中101店(2.8%)の在庫確認が出来る程度で、施設当たり7店舗弱なのです。これからだとは思いますが、、またOPENして1週間の各企業の売上は数店程度で出店側は厳しいとの評価です。
ビジネスの実践どころか、考え方や仕組みでさえ先読みがずれていると思われます。
商品は各ショップからの単独出荷のようで、各ショップ毎に3000円以上で送料無料なのです。折角多くのブランドが出店しているのに、ショップの垣根を払ったお客様らが選べるコ―ディネイトなどは出来難いのです。
様々なサービスが付いているのですが武器は多くても、使って貰えないようなレベルです。コーディネイトができるとか、インフルエンサ―を使ってのアプローチ等、マスコミ等にて話題の機能満載なのですが、果たして各サービスの効果計測が出来ているのでしょうか?
また、イメージキャラクターの日本人モデルは、等身大を意識しているのはまだ良いとして、その一人にバービーさんを起用しています。ニッセンのスマイルランドならともかく、もう少しこのようになりたいと思うサイズ感での提案にならなかったのでしょうか?性格は別なのですが、、
このようなモールでは、お店に来なくても買えるので、よりリアル店舗の売上の足を引っ張る事になります。1店舗増えただけなのです。お客様の総数はそう増加しない中、既存のお客様により多くの商品を購入していただくには、リアルにない商品開発が必要不可欠です。ネット専用ブランドではなく、同ブランドによるネット専用商品が必要不可欠なのです。
リスクの無い所に利益はありません。ZOZOの2番煎じです。ZOZOはPIONEERであり、AMAZONも日本のFASHION-ECMALLとしては一目置いています。
前澤氏は自社PB開発に目を向け、小職が申しあげました展開を目指しています。
但し、在庫リスクを持たないようなコメントを発表していますので、どのような展開になるのか楽しみです。
在庫リスクを持たないEC事業としては、モールビジネスかオ―ダ―ビジネス(工場や素材リスクはあります)であり、前澤氏にはモールビジネスは既にZOZO-TOWNがあります。
オ―ダ―の可能性もありますが、どれだけマーケットを広げられるのかは未知数です。
在庫リスクを避けるなら「しまむら」のように、売り切れご免のとっかえひっかえの手法もありますが、これでも当たり外れによる在庫リスクを伴います。まして前澤氏の言うベーシックなら在庫を積む方式が妥当ですので、、、必要量を読み取るマーチャンダイジングができれば問題はないのですが、、(ここは弊社の得意分野なのですが)
リアルモールによるEC事業は無印のようなPB(衣食住のTOTAL)商品開発によるEC戦略が近道でしょう。通過点としては、リアルの出店ブランドのモールサイドによるコーディネイト展開(自主編集=セレクト)サイトの併用も考えられますが、、
どちらにせよ、「サイトビジョン」(ビジネスモデル)の構築ありきです。戦術(手法)はその後でも、、まずは、拙速しない事です。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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