生地 雅之

2022 26 Sep

松屋銀座 特選冷凍食品売場

先週のブログの新浦安MONA1Fのイオン食品店の冷凍食品売場が8月30日にOPENと続いて、8月31日に掲店がOPENし、1週間後と2週間後に2回以上行ってきました。
B1Fという一般的なデパ地下の食品売場のもう一つ下の階(B2F)に僅かのスパンの壁面の売場をOPENさせ、急速冷凍機を導入し、銀座の名店(ピエス・モンテ創業1987年の洋菓子店、吉澤1924年創業の精肉店を備えたすき焼き割烹、みかわや1887年創業の洋食店、日東コーナー1948創業1948年の洋食店)等です。

冷蔵宅配に限界を感じ、冷凍にシフトされお客様の求める味を生かしながらの冷凍によるお届けにシフトしたことは小売業としてのお役たち行動には敬意を評するものです。
銀座での老舗としての歴史(京都や大阪の老舗とは歴史の長さが全く違うのですが)のあるお店を束ね、小さい面積でのビジネスには百貨店ならではの展開なのです。

レジは3台準備し、ある程度の金額以上にはアイスクリーム1個プレゼントなどサービス旺盛なのですが、無くても十分なのです。OPENしたのに予想を大きく下回りたくない精一杯の準備なのでしょうが、結果としては無くても十分に評価されるものです。「転ばぬ先の杖」だったのでしょうが、松屋のお客様はアイス一個に一喜一憂しないでしょうから。商品も余計なものを排除し、今回お勧めのアイテムのみに特化し、ミニパンフレットを作成し、「あれもこれも」でなく、「あれでなくこれを」の徹底がお客様に響いて賑やかな来店状況なのでした。

確かに、先週のブログに掲載の新浦安MONA店のイオンの食品売場の@FROZENに比べ、品種は少ないのですが、訴えたい商品が明確であり、価格も高いのですが、デパ地下価格がコンスタントな百貨店層の顧客から見るとそう高くは感じられないのです。イオンは通常のイオンの食品売場の価格から見ると、「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」等の今回のシェフ限定のコラボ企画商品の価格は、GMSの食品売場の客からみれば、松屋の今回の冷食の価格同等では、高く感じているのでしょう。

両店とも数度見に行き、どちらも数点購入し食べてみたのですが、どちらも味もそこそこ美味しく、特にイオンのボリュームゾーンの価格のTOP-VALUの商品と松屋の商品には、同じ種類の商品の食べ比べではこれは個人と知人の個人的な感想ですが、大きな違いは感じられなかったのです。この味ではほぼ同価格の商品を雰囲気のあるホテルでのディナーやランチの方が家で一手間掛けるのなら価値があると思ってしまうのです。松屋の鰻の宮川本廛は評価しているのですが、

この件を振り返ると、イオンの食品売場の一般的な冷凍食品(TOP-VALU)が、イオン顧客のそれを必要とされるお客様にまともなプロモーションができていないのでしょう。また、近隣にイオンスタイルの大型イオンがあるのなら、存在自体が不要な店なのでしょうが、他社にその場所を抑えられるくらいなら自社でとの戦略(昔のそごうのような)なら、日本全国イオン(隣近所すべて)にすべきでしょう。業界には他社の失敗事例も多く存在するのですが、「自社がやれば成功する・させられる」とでも考えているのでしょうか?同じ業界で他社のミスと同様のミスをすることは「愚の骨頂」とも言えるでしょう。

イオンは余程自社商品に自信がない証左と見えます。良い商品は沢山あるのですから、お客様に探してもらいたいとの思いは捨てて、(埋もれて見つけられないだけ)必要とされるお客様を調査・認識して、不要な商品を排除して、自店における「あれもこれも」でなく、「あれでなく、これを」にすべきで、その方に徹底したプロモーションを仕掛ければ問題はないのです。機会ロスを怖がらず、探して貰って買って頂くから「あなたの欲しいのはこれですよ」目の前に置き、売っていく姿勢に切り替えるべきなのです。要はマーケティング&プロモーション不足なのです。

しかし、両店ともこのコロナ禍でも停滞しないで、やれることを模索して、手を出して挑戦している事には評価に値するものです。自社自業界におけるお客様に一歩前に出る姿勢は素晴らしいものです。小売業が必要な「ローカライズ」&「カスタマイズ」の一歩と見れば成功の部類に入るものでしょう。やって見ないと判らない部分に行動を起している点は素晴らしいものです。是非TRY&ERRORしながら、初期部分の売上に一喜一憂して留まる事なく、長い目で修正(PDCA)を掛けて、安定したビジネスモデルの構築に導いて頂きたいものです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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