生地 雅之

2023 04 Dec

立川高島屋SC

やっと、1月に百貨店をやめて、リニューアルした掲店に訪れてきました。

この店は数か月前に百貨店を辞め、高島屋が方向性を間違っていましたと発表し、方向変換をした店なのです。全て場貸し売場になったのです、

それまでも既に徐々に変更していたのですが、最終B1Fのデパ地下を辞め、OKを入れ、3Fにバンダイナムコを入れて完成としたものです。

 

掲載店は過去に駅前に三角形の地型であった(旧大丸東京店のような)既存店を今の場所に移転したのですが、当時前職在籍中の小職が高島屋の某部長に依頼され、当時のメンズフロアのゾーニングを描いたものでした。既に当時は全国の百貨店40数軒から依頼され、紳士服フロアのゾーニング図面を描いていたものです。それもフロアが120%以上伸ばし、自社ブランドを140%以上伸ばす図面であり、その姿勢を請われてのものでした。その図面とはまだ掲店が百貨店をやっていた時の話で、Wエスカレータは百貨店においては当時まれで、1フロアの面積の広いそごうには多かったのです。

 

小職はこのエスカレータを基本に、奥行きの広い方に、百貨店の強いシニア層のMD(すべて)を配し、狭い方にその息子(団塊ジュニア)用のMD(すべて)をレイアウトしたもので、最終段階でラルフローレンはすべてのカテゴリーでエスカレータサイドに全フロア入ったので、アイテム展開ではなく、世代(平均的体系別)を区切ったMD構成にしたのです。結果功を奏し、某百貨店が駅前に出たときにも、メンズは数年間は負けなく、レディスは大きく負けた実績だったのです。いまだに百貨店のメインターゲット」は「団塊の世代」以上であり、いまだに次世代などは確保もできていないのです。

 

立川市には掲店が出た跡地には物販に貸さないと約束していたらしいのですが、新宿の某百貨店に貸したのです。その百貨店は駅から少し遠い元大型電器店の場所にあったものです。モノレールの駅も掲店の横に作る案も反故にされ、その店の横にモノレールの駅も作ったのです。聞いた話では、中央区(本社)に税金を落とす掲店よりも、新宿区(本社)に税金を落とす某百貨店をJRが優遇したとの噂ですが、また立川市を訴えたらしいのですが、これも真偽の程は?

 

話を現在に戻して、高島屋は過去に二子玉川SCでの成功事例から尾を引いているのかいまだに高島屋SCに拘り、新宿、日本橋、柏、京都等をSCと表しています。他社では東急のたまプラーザテラスの東急百貨店も北館と表し、名前を変えただけなのでいまだに鳴かず飛ばずの実態で、閑古鳥も。儲かってないので百貨店を軸にしたSC化は広がってはいないのです。

 

儲かっていないから高島屋は日本橋も横にSCを増設させたのですが、百貨店の次世代MDで広げ、面積の割にはまともな売上を確保できていないのです。二子玉川SCはできたときにはその時代に対応できていて、利益も取れていたのでしょうが、今や時代に合わず、名前だけを踏襲してもとても現在のマーケット顧客には合致していないのです。素晴らしいシンガポール高島屋の初期のように、マーケットニーズに対応することが欠けているように見えるのは小職だけでしょうか?

 

掲店は今回のグランドオープンに向けて地下にOKを入れて、3Fにナムコを入れたのですが、それまでのニトリ、ジュンク堂(ユニクロがららぽーと立飛に抜けたので)と変わらず、オープン直後も地下はともかく、3Fの半分のガチャもがらがらです。要は「家賃収入があるから売れなくても」とは考えてはいないでしょうが、テナントが売れなく家賃を払えないなら出ていき、次に入るテナントの家賃が下がる方向なのです。自社でPBを作り販売すればリスクがあるのですが、他社の売上依存からは脱却できるのです。百貨店が斜陽産業たる所以です。

 

OKは小職も自宅から車で15分程度にあったのですが、一度弁当のご飯が炊けていない段階のものが半分以上混ざり、車を出してクレームを言いに行くのは面倒なので、捨てましたが、二度と足が向きません。ナムコのガチャもビックロ(元新宿三越)の跡地で1Fで一過性で展開されたときは近隣のOLの大人買いで1客単価2500~3000円で賑わったものでしたが、一過性か既に終わっていますが、

 

要はSCを付けての展開は高島屋のショップ・ブランドを棄損しているように映るのです。SCだけをルミネやPARCOやラシックのように名前を変えての展開が望ましいのではないでしょうか?なんでも高島屋を付けると楽に見えての方向性なのか?高島屋を期待して見ると落差が大きいので、取れる売上さえも。また上層階のレストランは従来通りで百貨店客目当てであり、下層階に来る客と異なるので果たして?1館でターゲット顧客を変えるのは? その店は固定客を掴んでいる場合のみで、新規客の獲得は「夢のまた夢」なのです。継続は?

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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