生地 雅之
年始リサーチ㉓
毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まっています。既に2月ですので年始ではなのですが、毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。
142.ららぽーと富士見
東武東上線の池袋から川越に向かっての間の鶴瀬からバスで5分程度にある「陸の孤島」の商業施設ですが、祝日の夕方ですが、結構込み合っているのです。3層なのですが、3階までそこそこの込み具合なのです。雨も降ってはいなかったのですが、近隣の方はと遠出はせずに家族連れでここに来られているのです。駅からのバスも特に夕方でしたので、帰りのバスはほぼ満席でした。駅前に何も商業施設がないので、寡占化しているのです。駅ビルに東武が商業施設を作れば、駅前にイオンがモールをつくればどうなるか?海老名のららぽーとの様に現在は「独り勝ち」なのです。
東武鉄道は商業施設の運営は上手くなく、ソラマチの成功を期待したにもかかわらずコロナ前から閑散としており、来館者数は25%増(前年が低迷していたからか?)の1500万人(1日平均4万人強程度)になっても、各店舗の売上は苦しく、退店も多いのです。その他、ヴァリエという小さい商業施設を数軒展開している程度)に比べては不動産業(商業施設を含む)の営業利益額(利益率25%弱)が首都圏私鉄の中でも断トツの東急、そして小田急に次いで3位なのです。
まだまだ鉄道は主要駅のみではなくマーケティングを徹底し、駅利用者のメインターゲット層に合わせたレベルや規模の商業施設を作ればまだまだ伸び代はあるのです。草加のヴァリエなどは地域密着で良くできた駅商業施設です。(過去にこのブログに記載)
首都圏の大手私鉄9社合計の第三四半期の営業利益率を見ても、流通小売業はTOTAL売上の60%であるにも関わらず、流通小売り0.6%%程度で、不動産業(商業施設を含む)の利益率は26%強なのです。どちらに力を入れるのは明白ですが、エキナカの売店もお客様の利便性重視で必要でしょうから、これから殆ど自販機にての人件費の少ない事業に転換していく事は明白です。
143.トナリエ・ふじみ野(旧そよか・ふじみ野)
東武東上線ふじみ野駅(上記鶴瀬の一つ川越寄り)の西口から池袋方面に徒歩10分程度戻った場所にあるのですが、夕方でもGHOST-TOWN化しており、暗くて閉館しているのではと恐々覗いたのですが、ありました。
日本初のアウトレットふじみ野リズムが数年以上前に運営が行き詰まり、通常の商業施設のそよか・ふじみ野に変化していました。当時はクイーンズ伊勢丹もあり、地方にしてはそれなりに頑張ろうとしていたのですが、又も行き詰ったようで、昨年4月29日にリニューアルOPENし、「トナリエ・ふじみ野」(運営が変った?)に変更されていました。道路を挟んで奥はBAYONという館に代わり、前と後の運営が違うようです。奥のBAYONには東京靴流通センターとMODE-OFF(BOOK-OFFの古着業態店)がメインで、何もなく寂しい限りでした。
手前の「トナリエ・ふじみ野」も寂れていてGREENPARKS-TOPICやワールドの低価格ブランドショップ程度+地元の婦人服専門店程度で2Fなどは見る影もなく閑散としています。ここのメインは中央の地下にある食品スーパーのロピアであり、ここを目当てにしか来館されていないようです。その他、奥のBAYONを含め、来館されている人は殆ど犬の散歩・遊び場として活用しているようで、犬友達の集いの場と化していました。
ここのロピアは「キテミテマツド」ほど酷くはないのですが、他に集客のメインがなく「ロピア命」であり、ロピアが維持できなくなるのは近々ではないのでしょうか?ここはさっさとPMのノウハウのある企業に運営を委ねるべきでしょう。ここも駅前に東武鉄道がまともな商業施設を作れば今以上に行き詰るのです。
これからの事業は自社でできる事と出来ない事の見極めと、できないならどうして欲しいかの意思を明確にし、出来る企業に投げるべきなのです。そのために依頼するべき内容の吟味と依頼する先の妥当性を見極めが出来る目線を養う以外には道はないのです。
現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。
是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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