生地 雅之

2022 07 Jan

年始リサーチ④

毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まりました。毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。

35.おおたかの森SC
11:00前に入りましたが、がらがらの入店客です。食品(IYやタカシマヤフードメゾン)のみではなく、衣料品までのお店も並みの入りでした。勿論コロナで行くところもないのが実情なのですが、FLAPS(別館)を作っても集客にはつながっていないのです。
理由は行ってみようとの魅力が感じられないからなのです。

36.ららぽーと柏の葉キャンパス
ここもおおたかの森同様であり、通路も店内もがらがらなのです。
当然、別館までは人が流れていないのです。「大きい事は良い事だ」の終焉なのでしょうか?」

伊勢丹メンズ館の不要論も一部聞こえてきますが、メンズが不要ではなく、別館や新館が不要なのです。伊勢丹メンズの売上はそこそこあるものの、本館に巻き込んだらメンズのみではなく、全館の売上は大きく伸びると思われるのです。(これは別途、このブログに掲載予定です)

百貨店はSCと比べ面積が小さいので、ブランドのワールド感が出せないとの言い訳が横行していたのですが、ショップ毎のブランドの味が見えない位、薄まっているのです。館や店のみではなく、作り手(メーカー)にも大きな課題が存在しているのです。

このブログの過去にも記載しましたように、「アルペン・アウトドアーズ」はららぽーと沼津の方が、セブンパークアリオ近くにあるアルペン・アウトドアーズの本店に比べても狭いのに素晴らしい表現に見えるのは何故なのでしょうか?

伊勢丹がSKUを広げ過ぎ、「奥行き勝負」の攻め(売っていく)の姿勢の店が、待ち(何が売れるか判らないからSKUを広げ過ぎて効率を落としている)になってきている事と同義語なのです。この事はコロナと関係なく、コロナ前から見えていた事ですが、オンラインサイトも同様です。

要は「マーケットイン」からの脱却であり、再度「プロダクトアウト」の時代に向かっているのです。勿論「お客様に今は欲しいと思っていなくても、見たら欲しいと思って頂けるコンテンツ開発とお伝えする力」を持って。「カスタマーイン」との言葉を作っても、言葉遊びを止めて早く結果を出して欲しいものです。

37.イイアスつくば
上記35∔36同様
茨城県では評価の高い館でしたが、全く元気がなくなっていました。
核店舗の地元の食品スーパーの「カスミ」でさえ、今一つ元気が見えません。
いつものように、5点以内優先レジはそれなりなのですが、客層が代わったのか若いサラリーマンが弁当を買っている姿は今まで目に触れていなかったのですが、

企業は経済環境に柔軟に対応出来ないと生き延びないのですが、ロードサイドの大手4社でさえ埋没(小職の昨年末のブログに掲載済)し出しているのです。勿論コロナ前からで、コロナとは関係ないのです。
最近はユニクロもTOPはともかく、現場がTOPに追いて来れていないと見受けられるのです。(これも別途、このブログに掲載予定です)

38.イオンモールつくば
上記35∔36同様入館客はまばらなのですが、イオンは昔のコンビニのように「雨が降ったら傘を出す」が出来ているのです。この日は雪が降ってきたのですが、この館では核店舗のイオンが除雪対応の道具を通路の前面に出していたのです。このような対応は百貨店(取引先任せ)や他のGMSでは過去は出来ていた事もあるのですが、今や稀にしかできていないのです。

イオンは即実行できる体質になってきている事は素晴らしいし、商品も衣料品でいえばユニクロに勝っているものも多くなっているのですが、売場からはそう見えないのは、運営面・展開面に課題があるのです。要はお客様から見て、「欲しい」と思って頂けない売場になっているのです。逆にヨーカドーは商品のレベルが低下しつつありますが、それ以前に売場運営面・展開面の硬直化が百貨店と同様になりつつあるのです。残念です。やりようはまだまだ存在しているのです。現在の売場・什器・商品のままで、如何に今以上に良く見せられるかは、まだまだ手付かずなのです。伸び代はまだ残っているのです。見つけて手を付けるべきなのです。

両社とも「どうあるべきか?」「どうしたいのか?」が明確でなく、経営層には明確であっても、売場を運営する現場の腹に落ちていない様に見えるのです。経営層でさえ見えていないのかも。
ここはVISIONを明確に策定し、現場まで徹底させる事から始めるべきですが、現在のGMS衣料品事業(勿論PB開発・展開迄なら衣食住全部ですが)に「どうあるべきか?」「どうしたいのか?」が策定出来るとは思えません。出来るのならここまで苦戦はしていないのではないでしょうか?今を生き延びるためだけなら、向き(方向性)はどうでも良いとの考え方もあるのですが、それだけで良いのでしょうか?

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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