生地 雅之

2023 14 Aug

売らない店は売れない店(22年3月9日付ー売らない店は売れない店の成れの果て-2)

最近、少し前から進みだしていましたSPA型専門店におけるネット専用ブランドや百貨店におけるEC購買向けサンプルショップ(ショールーミング化)も在庫を抱えて、とうとう店頭展開に進みだしています。

SPA型専門店のPBは、大型商業施設に展開し出し、そのままのMDでは全く通用していないので、MD刷新との方向です。ECであろうともお客様が着用するので、通常の同社のブランドと同じ考え方と思っていたのですが、企画担当者がネットを意識し過ぎたのかベーシック比率が大幅に低く、ブランドリニューアルにはベーシックを増やす方向だそうです。(素人か?)

また百貨店のショールーミング化については、店頭販売も進みだし在庫処分に手を焼いているようです。某百貨店は自動販売機を置き、人件費を掛けないので大丈夫との判断のようです。それで良いなら、全館自動販売機にすれば。

専門店も百貨店も上手くいかない事業を縮小し、可能性のある事業を拡大するのは、当然であるべきですが、この事業が当初に真剣に(儲かるか否か)考えられたのか甚だ疑問です。最近少し前から進みだしていましたSPA型専門店におけるネット専用ブランドや百貨店におけるEC購買向けサンプルショップ(ショールーミング化)も在庫を抱えて、とうとう店頭展開に進み出し、思い付きのアイデアに乗ったように見えるのは?

勿論、手を出さないと判らない事もあるでしょうが、これは本当にやらないと判らない事なのでしょうか?経営者が本当にECをビジネスとして捉えているのでしょうか?売上目標は立てて指示しやるのは部下だという姿勢なら間違いなく頓挫します。

新規事業ならまず経営者自ら「こうすべきから結果はこうなって儲かる」だからやるとの姿勢を示し、自らできることを部下にやらせるのならわかるのですが、自分ができもしない事を部下にやらせるのはいかがなものか?

プロを連れ込んで、新規事業をやらせるのなら、自社・自業種のお客様は自社がわかっている筈(実はほとんどわかってはいない)で、コラボ(自ら首を突っ込んで)最終責任は自ら取らないと成功する筈もないのです、

コロナ禍では「内製化」が流行りだし、コストカットのために、自社でできない業務を外にだしていたのにそれを自社内でとの意向でした。社内でできる人がいないから外部に出していたのですから、急に社内でできる筈もないのです。

某企業は中(社内)で育てると言われるので、そのような時間があれば今まで何故できなかったのでしょうか?それも当然時間がかかるので。また「餅が餅屋」であり、外部にいるプロはなぜ存在してきたのか?甚だ疑問です。

某大手下着メーカーが大幅減益であり、京都のしもた屋風の宿泊施設の運営を大手不動産会社に任せた事などはその最たる事例なのでしょう。大手企業は余裕があるので手を出している新規事業であり、営業利益を国際会計基準でも2桁以上上げているなら道楽でも。

株主が黙っているかは疑問ですが、まずは社内に新規事業案件を考案できる部署(既ににある所も多い)もあり、アイデアは多くても良いのですが、それをやって儲かるかの「営業センス」のある人材がいる検討部署が必要なのです。

まずは、百貨店やGMSは既存事業のプロを育てる事から始めるべきです。ユニクロやニトリの営業利益率はなぜ高いのか?衣料品や住居関連事業で特出しており、場所貸しでさえ三井ららぽーとやイオンモールにはとても及ばないのです。

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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