商いの大先輩から頂いた、黄色の蝋梅(ろうばい)と紅梅の花が、居間で芳香を放っている。
　庭の老梅を窓越しに見ると、春の陽光に抱かれた蕾が弾け、白い花びらをのぞかせていた。
　カラフルな花が一斉に咲き出す、心がときめく時節がやって来た。
　３月は桃の節供に始まって、中旬～下旬にかけて「ハレの日」が続く。
　いつもの春なら、心が躍る「門出」の時節だが、連日のように飛びこんでくるニュースと情報は、コロナ禍も含めてマイナーな出来事や、信じがたい案件・事件が少なくなく、人々の心がトーンダウンしそうだ。
　先月に購入した「Ｋｕ：ｎｅｌ」に、パリ在住のデザイナー「島田順子」さんの特集が組まれていた。
　「どんな時でも、おしゃれは心の励み」とコメントされていたことに共感を覚えた。
　また「好きな服を着ている高揚感が、着る人を輝かせてくれる」とのファッション哲学にも感銘を受けた。
　ところで、ここ数年来「パーソナルカラー」や「骨格診断」がブームとなっている。前者は実務に役立つし応用が利くので賛同している。しかし、「ボディフィッター」の私が眉をひそめて納得できないままでいるのは後者だ。50年間にわたって、沢山のお客さまとの出会いを頂戴し、フィッティング時に、多様な体つきを目測・感測してきたからである。
　人の身体（体形・体型・体格）は、･･･(中略)･･･
　著名な先輩デザイナーで、「骨格」を意識した服創りをされている方は、ほぼいない！
　島田順子さんも、「好きな服が似合う服」との心強いメッセージを、仏のプーロンマーロットの田舎にある自宅から読者に届けてくださった。
　ちなみに「ジュンコ　シマダ」の春夏テーマは”マリン”。彼女の手にかかると、ストライプもボーダー柄も、大人可愛い、セクシー服として仕上がるから不思議だ。
　衣料関連の方々は、彼女のような前向きなファッション哲学を思い起こして、混乱が渦巻く令和の春夏商戦を推し進めていこう。･･･(以下、ストアーズレポート3月号を)･･･
　
　「ストアーズレポート」2021年3月号の児玉千恵子書き下ろし連載第185回「商いの実学・遊学・雑学」は、『事の葉と、言の葉を… お客さまにお届けする桃と緑の月』

　今号の主な内容は、　
◇　好きな服が似合う服　島田順子
◇　閃きの伝言板 ～　「ホワイトデー」　「セントパトリックスデー」　需要に拍車がかかった品々
茜屋の経営者でステンドグラス職人の横山貴子さんが、令和３年の干支である丑をモチーフにして、情熱をこめて創った茜色の作品

◇　心の中まで照らす彩り豊かなステンドグラス～「茜屋」

大妻コタカ先生の生家と、手入れの行き届いた庭園に建立されている銅像（広島県世羅町より）

◇　技芸教育の篤志家の生家を訪ねて～第29回「ＴＥＲＡＫＯＹＡ」(日本ＶＭＤ協会主催)　大妻コタカ先生　大成龍神社

【プロ販売員模試】　「 インドア＆アウトドアの知識力 テスト」

〔PHOTO:DOMINANT LIMITED〕
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