宮田 理江

2018 11 Apr

「UNIQLO and JW ANDERSON」、2シーズン目へ(2018春夏コレクション ) ジョナサンが語る思い

「UNIQLO(ユニクロ)」と「JW ANDERSON(ジェイ ダブリュー アンダーソン)」のコラボレーションが2度目のシーズンを迎えます。2017-18年秋冬コレクションでスタートした「UNIQLO and JW ANDERSON(ユニクロ アンド ジェイ ダブリュー アンダーソン)」は18年春夏シーズンも継続。新コレクションが発表されました。デザイナーのジョナサン・アンダーソン氏が来日したプレスプレビュー(4月10日)ではアンダーソン氏が新コレクションに込めた思いを語ってくれました。

 

今回のテーマになったのは、英国のリゾート地であるブライトン・ビーチ。ロンドンから電車で1時間程度の距離にある、海辺の街です。コレクションは全体にベーシックで、気負ったところや余計な飾り立てがなく、どこか懐かしげでリラクシング。ジョナサン自身の子どもの頃の記憶に原点を持つパーソナルなコレクションです。

 

まだ30歳代半ばで、人生を振り返るには早い気もするジョナサンですが、今は亡き偉大なデザイナーの言葉を大事にしているそうです。それはイヴ・サンローラン氏の「デニムのジャケット(Gジャン)を作れたらよかった」という言葉。「モードの帝王」とまで呼ばれた巨匠ですら、自分が生み出せなかったものを残念がるように、「(ファッションは)アウトプットがすべて」。だからこそ、ジョナサンは「エキサイティングな時代を生きている」という事実を喜び、自分の思い出も感性もクリエーションに写し込んでいるのでしょう。

 

自らの名前を冠したブランドに加え、「LOEWE(ロエベ)」のデザインも任され、さらに「ユニクロ」ともコラボ。想像を超える多忙ぶりですが、「どの仕事にも100%の一生懸命で取り組んでいる。それぞれを比べることもない」と言います。「自分だけではできない仕事」と、「ユニクロ」とのコラボに熱意を示し、「着る人の個性を出したい」と、デザインの意図を語りました。

 

とりわけ、価格がリーズナブルな「ユニクロ」とのコラボに関しては「(ファッションの)民主化」という言葉を使って、意義を強調。「いろいろな人に着てもらいたい」と期待をのぞかせました。新コレクションに関しても「服を着ることをきっかけに、季節の移り変わりや、その季節にまつわる思い出などを感じてもらえる」と、ファッションと個人のセンチメンタルな関係性に触れていました。

 

ファーストリテイリングの執行役員、勝田幸宏氏は、ベーシックを重んじ、まじめに仕事と向き合う点で、「ユニクロ」の姿勢と英国の伝統的気質との共通点を指摘したうえで、「今、ロンドンで最も勢いがあるジョナサンと組んだ」と、コラボの意義を説明しました。

 

新コレクションは海辺を連想させるビビッドカラーのボーダーTシャツやワンピース、カラフルなニットポロ、シアサッカー地のボンバージャケット、ポケッタブルパーカ、ジョナサンのシグネチャー的なラッフルやリボンをあしらったブラウス、フレアスカートなどが用意されています。50年代風のデニムジャケットやトラディショナルな英国警官服のシャツからインスパイアされたチュニックシャツといった、ワークウエアの要素も加わりました。「JW ANDERSON」のDNAとも言えるストライプやパッチワークのシャツ、スカートもそろいました。

 

それぞれのプロジェクトやブランドに全力で打ち込むジョナサンだから、たくさんのオファーが舞い込むのでしょう。誠実な態度に裏打ちされた新コレクションは18年4月20日に発売されます。

 

UNIQLO and JW ANDERSON
http://www.uniqlo.com/jwanderson18ss/jp/

 

Written By Rie Miyata 

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