宮田 理江
「マノロ ブラニク」の評伝映画で知るマエストロの世界 監督手描きの「靴イラスト」を大公開
ドキュメンタリー映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』が2017年12月23日、公開されます。世界中の女性を夢中にさせる「魔法の靴」の魅力に迫る、靴好きには見逃せない作品です。
1970年代初期にロンドンにショップをオープンさせて以来、構築的で美しいハイヒールで多くのセレブやファッショニスタを顧客に迎えてきたシューズブランドが「Manolo Blahnik(マノロ ブラニク)」。そのデザイナーであるマノロ・ブラニク氏の半生を振り返りつつ、華麗な手仕事の秘密を解き明かす構成です。
テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーが愛してやまない靴として広く知られるようになりました。かつてはダイアナ妃も愛用していて、米国版『ヴォーグ』誌のアナ・ウィンター編集長が偏愛する靴としてもおなじみです。
今回の映画では、スペインのカナリア諸島での生い立ちから、米国版『ヴォーグ』誌の伝説的編集長から勧められて靴職人に転じたエピソード、大勢のファッショニスタのコメントなどが紹介され、マノロの生涯とクリエーションを立体的に理解することができます。ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』(2006年)では衣装デザインのミレーナ・カノネロ氏にオスカーをもたらしました。
工房(アトリエ)にカメラが入り、職人気質のクリエーションをのぞき見るような疑似体験が味わえます。英国・バースにある閑静な自宅に保存された膨大な数ののアーカイブも映し出されます。
マノロ本人と45年以上も友人であり、アーティストでもあるマイケル・ロバーツ監督が書き下ろした、コミカルでキュートなイラスト14点が公開されました。ロバーツ監督は『ニューヨーカー』誌初のファッションディレクターを務めたほどのファッション通でもあります。本作が初の長編監督作品となりました。
近頃、ファッションの創り手を主役に据えたドキュメンタリー映画が相次いで制作されています。ブランドのヒストリーや持ち味を表現するうえで、映画は格好のメディア。数あるファッション映画の中でも『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』は本人のキャラクターと、彼のシューズを愛するおしゃれ達人たちのパッションが響き合って、特別な作品に仕上がっています。マノロの生涯をなぞるような体験を通して、「マノロ ブラニク」の深みに一段と魅せられていきます。
『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』
監督・脚本:マイケル・ロバーツ
12月23日公開
東京:Bunkamura・新宿ピカデリー
関西:大阪ステーションシネマ・なんばパークスシネマ・神戸国際松竹・MOVIX京都
名古屋:ミッドランドシネマスクエア ほか
公式サイト http://manolo-tokage.com/
(C)HEELS ON FIRE LTD 2017
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Written By Rie Miyata
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