久保 雅裕
アドリア海の真珠~ドブロブニクで「日本」テーマのフェス開催
もう6年も前のことになる。「アドリア海の真珠」といわれる美しい城塞の街、ドブロブニクを訪れたことがある。この美しくも小さな観光都市で開かれる「Le Petit Festival du Théâtre」で暗黒舞踏や茶道など「日本」をテーマにした催しが行われた。あれから毎年開かれていたこのフェスティバルが、今年は日本クロアチア外交関係樹立25周年にあたり、在クロアチア日本大使館から後援され、記念事業として「日本」をメインテーマに開かれるそうだ。
14回目となる今年の会期は6月14~17日で、「Sun and the Land of the Risinig Sun、 日本」が正式テーマ。 会場は、Museum of Modern Art Dubrovnik(ドブロブニク・モダンアート美術館)をメインに日本人アーティスト17人の展覧会を開催。この他、別会場のLazareti Frana Supila(ラザレティ・フラナ・スピラ) では、パフォーマンス部門が開催され、巫女舞を元祖としたコンテンポラリーな舞、お茶会、チェロコンサート、短編映画上映、「鶴の恩返し」をもとにした創作演劇パフォーマンスが上演される。
海外からの参加者(フィンランド、クロアチア、アメリカ、ドイツ、スウェーデン、ブラジル)もテーマは「日本」として、彼らの見る日本をそれぞれの感性で発表するそうだ。
また第1回目のフェスティバルから続けて毎年行われる行事で、最終日の日曜日に有志が集まりクロアチアで一番古い養老院へ慰安訪問を行う。「フェスティバルを見に来られない人にも楽しんで欲しい」と数名のパフォーマーが養老院でも演じ、日本からはチェロ奏者の植草ひろみさんが演奏する予定だ。
同時に知らないアーティスト同士が組んでコラボする醍醐味もある。今回はチェロ、ダンス、書をしている3人が、初対面で一つのパフォーマンスを仕上げる。またアメリカ人歌手がクロアチアで人気の歌手の歌を2曲、クロアチア語で歌い、その伴奏を行うチェロとピアノは日本人アーティストでコラボする。
主催者は、Vinko Prizmic氏。彼自身が詩人、ライター、パフォーマーでアムステルダムを拠点として、絶えずヨーロッパ中を駆け巡る生活をしている。「自分の本を演劇で」というのが第1回目のきっかけで、彼の故郷ドブロブニクで催され、以後年一度の恒例イベントとなっている。
少し早めのバカンスを兼ねて、風光明媚なドブロブニクで貴重な体験を楽しんでみてはいかがだろうか。
イベントの詳細は、こちらのサイトからhttps://ikuoichimori.com/dbv-press/