繊維ニュース 編集部ブログ

2018 19 Jun

ブランドは死なず

 【東京本社】楽器メーカーの米ギブソン社の経営破綻が5月に発表された。前年から業績が悪化しているという報道があったが、やはり衝撃的なニュースだった。「フェンダー」と人気を二分するブランド、バンドに熱中していた10代は「高値」の花で、ひたすらバイトに明け暮れたものだ。何故の低迷か?

 米国ブランドの楽器も今は海外生産が主流。楽器屋の店頭には廉価なモデルがずらりと並ぶ。本国が監修するので音もそこそこ悪くない。「ギターはジーンズと似てるよね。デザイナーズにプレミアムブームもあったけど、ファストファッションでそこそこいいモノが買えるのに、何十万円も払う人なんていないよ」。しかし、信用情報などによると楽器事業は堅調で、他事業に手を広げ過ぎたのが斜陽の原因らしい。知ったかぶりで赤っ恥の私である。

 同社は楽器に注力して経営を再建する方針で、債権者の69%以上が再建に同意しているという。さすがは世界中で愛されるブランド、メーカーよりも長命だ。

 写真のベースは約50年前のモデル。試奏すると適度に枯れているのに、腹に響く低音。まさにビンテージ、現行品とは比べ物にならない。お値段は30万円でした。(周)