マサ 佐藤

2018 18 Jan

どんなロジックにも弱点はある

★仕入予算は原価?それとも売価?それとも…。

MD・バイヤーが商品仕入を行う際、当然仕入予算というものがある筈です。年・月。場合によっては週で組んでいるとこともあるかもしれません。また、組織によっても仕入の考え方そのものが違うことでしょう。

 

仕入予算が原価でだったり?それとも売価だったり?または仕入予算自体がない?等組織によって色々違いはあるとは思います。

 

★このブログではMD数値の仕入・在庫金額は基本原価立てで!と言ってきた。

常々、私のこのブログでは常々MDの数値。仕入と在庫に関しては原価立てを基本にすべきと説いてきました。なぜならば、売価立てでは仕入・在庫予算等の根拠を証明しづらいばかりか、セール等の売価変更で数字の変化が激しくなります。とくに在庫金額は売価変更によって自在に変わるので何が正しい数値かが見失いがちになります。

そしてある意味、数値自体を誤魔化しやすいと言えます。

 

★原価立ての管理にも弱点はある。

しかしながら、原価立ての仕入予算でも弱点はあります。それがどういうことかと以下端折って説明すると。

 

”予算。売上1億円。粗利率50%の組織がある。仕入予算ルールとしては消化率100%で組み立てる。となると?

売上原価5000万円。消化率100%ルールなので、仕入原価予算は5000万円になった。この組織の想定(仕入)原価率は40%(値入率60%)に設定した。これを仕入売価予算に置き換えると??

 

5000万円÷40%=1億2500万円になる。売上予算125%仕入金額。1点辺りの仕入売価が5,000円だとすると、25,000点商品仕入数が発生し、セールしないで売れた場合より5,000点も余計に商品を仕入れることができる。”

 

しかし、MDが優秀だったのか?期中では(仕入)原価率は35%に収まった。但し、仕入原価予算の金額通りの仕入した。その場合どういう結果になるかというと?

 

”5000万円÷35%≒1億4286万円の仕入売価金額を発注。1点辺りの仕入売価が5000円だとすると?、28,571点の商品仕入数が発生し、結果。予算想定よりも更にに3500点以上の仕入数が発生したことになり在庫が多く残った。なんらかの対処が必要になった。”

なんてことが起こります。

 

要は結果的に、想定(仕入)原価率を下回ったために、点数仕入が多くなり、(新たな)在庫消化施策を強いられたということです。

★すべてのルールは万能ではない。だからこそ…。

上記のようなケースの場合は、仕入売価金額。点数。を同時にチェックし、商品発注時に仕入原価予算を下回る金額にしなければならない。ということをMDは自覚し、注意を払わねばなりません。

 

このように、どんなルールやロジックを使おうとも、必ず弱点というものがあります。これは、MD数値以外の他の事柄でも同じことが言えます。だからこそ、自分たちのルール・ロジックに過信せず、弱点を自覚し細かなチェックをすることが大事です。

 

MD数値管理においては、MDのみならず、経営者・上層部がこのことを自覚し、正しいブランド・ショップを運営を心がけるためにも、改めて「売上・粗利益・仕入・在庫」の数値基礎を学び直し、自分たちの組織にあったルールを構築することが重要なのではないでしょうか。

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