マサ 佐藤

2018 29 May

素人目でみることが大事??

★簡単にUNIQLOのPLから推理すると??

UNIQLOの決算関連資料から、過去の粗利率をみてみると?2017年度は約47.5%で着地していることがわかります。この数値が高いか低いかはさておいて。UNIQLOの推定仕入原価率を、私が独断と偏見で勝手に推測すると?40%くらいなのではと?勝手にに推理します。

ということは?UNIQLOの年間の推定OFF率は約25%弱では?という数字が出てきます。UNIQLOには基本アウトレット(以下OL)は存在しませんから、(新店増加分は置いといて)年間の仕入原価と売上原価はほぼ同じ数字ではないか?と推測されます。(そのため。売れない商品の見切りが早い)

 

★友人の南さんから聞いた話。

ここで話は変わりますが、先日。友人でフリーランスライターの南充浩さんとお話する機会がありました。(最近、毎日話しているような気がする(笑))

週に何回かUNIQLOをチェックしている南さんによると、最近UNIQLOの店頭のセール品が少なり、OFF率も以前に比べ低くなったという話を聞きました。私も駒沢のUNIQLOの店舗によく足を運びますが、「言われて見ればそんな感じがする」と妙に納得してしまいました。

 

また、私も最近買うUNIQLOの商品クオリティが、更に素人目でみても上がっている!と感じていました。そこで、南さんから聞いたことは、UNIQLOは(仕入)原価率を5%程上げているのでは??という話を聞き盛り上がりました。

UNIQLOは皆さんもご存知の通り、製造原価額と仕入原価額にそれほど差がないと推測されるので、仮に(仕入)原価率を5%上げているとしたら、店頭の変わりようと素人目でみた商品クオリティがアップしている理由も納得はいきます。

(このことが本当かどうかは知る由もありませんがm(__)m)

 

★(仕入)原価率を上げるリスクも多い!

しかしながら、(仕入)原価率を上げるということは、リスクも多くなるということです。まずは粗利率が下がるリスクがあります。仮に、前述のUNIQLOの粗利率47.5%を目指し、(仕入)原価率を45%(ということは値入率55%)に設定すると、年間でのOFF率は15%に抑制されます。一見このことは良く見えますが、OLがなく在庫管理が厳しいと推測されるUNIQLOでは、OFFできる金額が減った分、作る数量を少なくしなければならない。ということになります。

 

仮に商品が売れなければ当然、見切りの早いUNIQLOはセールをするわけですから、過去より低い売上・粗利率になる可能性も大きくなるということです。

(粗利率確保だけが目的であれば、セールしなければ良いがその分多くの在庫が残ることになると推測される。)

 

しかしながら、現状のUNIQLOの店頭や商品をみていると、そのことが功を奏しているように感じます。結果、素人目でみて商品が良くなっていればその分売上も伸び、今まで以上の売上と粗利高が確保されているということなのでしょう。

★値入率と粗利率の差を決めることはブランドコンセプトを決めるのと同じ?

ブランド・ショップを運営する際。値入率((仕入)原価率))と粗利率を決めることはブランド・ショップの方向性を決めることと同義です。MDとしては、基本高い粗利高を確保したいわけですから、当然、(仕入)原価率を低く抑えようとするのは、職務として当然のことです。

 

しかしながら、仕事の目的を捉えず、目先の手段で(仕入)原価率を闇雲に下げるため、メーカーや工場側に無理難題をつきつけるのもこの業界の常です。そして、メーカー・工場側もそう言われれば当然、商品クオリティを下げてきます。そうなれば、結局そのことを顧客に見破られ、必要以上のセールを迫られ、最終的には売上も粗利も低かったでは本末転倒です。

 

また、昨今原価率の高さを売りにしているショップやブランドがありますが、それがもしODMやOEMの商品をあたかも自社生産としてしているのならばそれも本末転倒です。当然、その(仕入)原価率の中には、マージンが多く含まれますし、数量が少なければそれは商品クオリティにあまり影響を与えません。(仕入)原価率の高さを賞賛するのであれば、それこそ「しまむら」を賞賛すべきです。

 

★素人目でみて商品が良く見えることが大事

最後に、MDとして粗利率や値入率((仕入)原価率)を設定するという行為はMDにとって大事な仕事です。

しかしながら、目先のことだけ考え、数字を利用した宣伝をしたり、メーカーや工場に過酷な原価率を強いても、顧客には何も響かない筈です。大事なのはその数字を決めることだけではなく、数字以外の要素で顧客にとっての付加価値を商品につけられるのかを考えること。更に、その数字を設定することで、顧客にとっての「得」に繋がるのか?素人目から見ても商品クオリティ上がっているように見える手段となりえているのか??そのことを考え実践すること方が、本当に大事なことなのではないでしょうか?

 

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