久保 雅裕

2019 19 May

ラグジュアリーを入れられないギャラリーラファイエット上海

1年振りに上海を訪れた。休日ということもあり、上海在住の友人に丸一日、マーケットリサーチに付き合ってもらった。まずは地下鉄2号線で浦東新区側へ川を超え、2駅目の東昌路駅へ。昨年末オープンしたL+Mallの中に遅れる事3ヶ月、フランスの百貨店「ギャラリーラファイエット上海」が開店したという事で足を運んだ。駅直結の店内はまだ真新しく、吹き抜けの円形エリアをメインに、その周囲と一方向にのみ延びた50メートルほどのショップエリアで構成されている。この50メートル先からは、L+Mall本体のモールとなっている。地下はベーカリーと「ル・サロン・ド・テ・ド・ジョエルロブション」があるのみと小規模なので、実質的には1〜4階のフロア構成。ファッションアイテムのみの品揃えということなので、事実上「専門大店」という感じだ。ただ中国にありがちなパターンで仮囲いがあるテナントがいくつかあり、所謂ソフトオープンという状態だった。

本家本元では、「ルイヴィトン」「シャネル」「プラダ」「グッチ」などラグジュアリーブランドが1階を占めている訳だが、上海は隣の地下鉄駅、 陸家嘴駅にあるIFMというラグジュアリーモールの1階に写真のように、ことごとくラグジュアリーブランドがテナントとして入居しているため、流石に誘致は不可能だったのだろう。

IFMモール(左からジバンシィ、ディオール、トムフォード )

IFMモール(左からティファニー、奥に小さくフェンディが見える、そしてエルメス )

IFMモール(左からシャネル、カルティエ、ルイヴィトン)

自主編集のEDIT

さてギャラリーラファイエットに話を戻すが、フロア構成は、1階がファッション雑貨、2階がウィメンズウェアと雑貨、 3階ウィメンズウェア、そして 4階がメンズウェアと雑貨となっている。2~4階には、それぞれ「EDIT(エディット)」という自主編集売り場があり、パリのオスマン店にあるような有力デザイナーブランドがラック1~2本ずつ置かれている。

「ジョン・ローレンス・サリバン」も「アラシ・ヤナガワ」名でエディットに導入されていた

一方ブリッジベターの「クローディ・ピエルロ」「ザディグ&ヴォルテール」「サンドロ」「マジュ」といったフレンチSPAが壁面のハコ売り場を占め、その他にも「メゾン・ミハラヤスヒロ」や「アンダーカバー」「ロアガンズ」のショップ・イン・ショップも導入されていた。

1階の吹き抜け下の中央部には、「FUN」と題したキャンペーンを象徴するスロットマシンのオブジェがあり、雑貨を中心に揃えたイベントスペースのような設えだった。

この後、地下鉄2号線を市内方向に戻り、南京東路駅上にある中国からの撤退が決まった「フォーエバー21」旗艦店へ向かった。すでに閉店セールの最終局面ということで、ご覧の通り、すっからかんの状態だった。

最後は、できるだけ毎回訪れるようにしている新天地にある「新天地時尚モール」へ。デザイナーブランドの品揃え型専門店の集積が7〜8店舗ほどあり、これほどの規模で見られるのは、唯一この施設くらいだろう。

何と言ってもここの一番店は「alter(アルター)」で 「ファセッタズム」などに混じって「フルギニレース」が入っていた。PR01ショールームが頑張って営業しているのかな。2階にある「Nn」には安定して「ヌード:マルヤママサヒコ」が入っていた。このモールとその少し北側にある「i.t」だけは、いつも個人的に楽しくなってしまうエリアだ。

alter

Nn

これだけ盛り上がってきているのを見聞きすると、次の上海ファッションウイークの時期にも訪れてみたいと思った。