久保 雅裕

2019 17 Jan

広がるシェアリングエコノミーを実感

渋谷・神南にできたシェアオフィス「the Hive Jinnan」

エコ・サスティナブルの系譜の中で、「リユース・リサイクル」と「シェアリング」の2大ワードが外せなくなってきた。前者はITソリューションにより、古着市場を全国区、24時間営業へと拡大され、特に「メルカリ」の存在は大きい。子供服のように一時しか着ないものは、リユース活用のメリットも大きく、何度か訪れたことのあるメルカリのO2Oフリマイベントの出店者の大半が子供服のように感じた。

後者では、自動車のシェアリングサービスをあちらこちらで目にするようになった。筆者は年齢的なこともあり、自動車に機能性よりも趣味性を求めてしまうため、例え2週に1度くらいしか乗らないとしても、クルマを手放す気はさらさら無いので、カーシェアのお世話になることは無さそうだ。だが、クルマを単なる移動手段として考えている世代にとっては、便利な代物となるだろう。また「AirBnB」も部屋のシェアリングビジネスとして大きく広がったし、ファッションでは、「エアクローゼット」が先駆けで頑張っているようだ。

we workの1階で開かれたイベント

さて、昨年末に原宿にある「we work」というシェアオフィスでイベントがあったので立ち寄ることがあった。1階はドリンク・フードサービスも提供する大きなカフェのようなスペースで、その日はパーティーが開かれていた。上階にフリーアドレスのワークスペースや固定のデスクや事務所スペースがあり、入居者は無料で1階のドリンクサービスが享受できるそうだ。来客をもてなし、ビールも無料。「夕方、飲みがてら来てね」などと誘えてしまう(^-^;。同じような時期に渋谷・神南にも「the Hive」というNY・ブルックリンにでもありそうなウッディなシェアオフィスもオープンした。どちらも1ヶ月7万円くらいから利用できるらしい。ベンチャーの人々がアイデアを交換し合って新しいビジネスが生まれる場所を創出していこうという、とてもポジティブな動きだと思う。

the Hive jinnanのワークスペース(一部)

エコ・サスティナブルの流れで間違いなく今後も拡大していくだろうこの傾向。しかし、長引く個人消費と勤労者家庭の平均賃金の停滞による、已むに已まれぬ自衛策という側面も後押ししていることを忘れてはいけない。と、ふと思ったのだが…。