北川美智子
2025-26 秋冬向け素材展 2
JFW JAPAN CREATION ・ PTJ Premium Textile Japan JFW
ジャパンクリエーション ・ プレミアムテキスタイルジャパン25-26A/W
日本の素材展の中では最も広範囲を網羅し、参加社も多いJC・PTJ展はそれぞれ第33回と27回を迎え昨秋11月に2025-26A/W向けの展示会が国際フォーラムにて開催されました。
JFW推進機構は同展を次年度より「総合素材展Tokyo Textile Scope / TTS」と改め場所も浜松町の都立産業貿易センターに移して行われます。
区切りとなる今回も技術を駆使したり、SDG‘sをうたったり、自然や災害に対処した機能性、コストを鑑み重さや幅などに工夫が見られる秀逸な素材が沢山見られました。
今回感じられる大きな特徴は、秋冬シーズンのとらえ方でしょう。
昨今の従来型MDカレンダーが通用しなくなりつつある気候の不安定さや変化のもと、シーズンを五つに考えたり夏を中心に中間アイテムを充実させ、シーズンレスを思わせる動きが出ています。
素材もこうした変化を敏感にとらえる必要がありそうです。
次に日本の持つクラフトマンシップのすばらしさが目立ちます。
レースなど見るからに華やかさ、技巧を凝らしたものもある一方で、デニムのようにベーシックで極身近にある素材に新しい技術が施されて今までにない味わいを出しているものが多くあります。
機能性も踏まえて実質性のある美しい素材として世界の注目に値すると考えられます。
確認の意味になりますが、2025-26F/Wに向けて発信されたテーマと各社がイチオシの素材を紹介します。
25-26AW PTJ・JC テーマとコンセプト
「お酒とシネマ」 CINEMA & Sprits
お酒が醸し出す数々のシーンが映画の物語に夢を与える。
少しレトロでファンタジックなイメージが新しい未来を導き出すであろう。
カラー:
琥珀やべっ甲などウィスキーを思わせる芳醇な色。
深みのボルドー、泡の軽やかさを表すエレガントな白身を帯びた色など。
「木漏れ日と陽の当たる家」 Komorebi Sunlit House
冬の自然光。
光りと影。
穏やかな日常などのイメージ。
陽の当たるドラマティックな場面が心地よく生活を和ませる。
カラー:
木々の紅葉とナチュラルなグリーン。
温かさを感じる心地よいカラーとのハーモニー。
「職人とデザイナー」 Artisan &Designer
積み重ねた職人の技とデザイナーの芸術性の融合。
信念と想像力。
それらを掛け合わせる新しい表現。
カラー:
ベイシックなカラーにヴィヴィッドカラーをプラス。
遊び心のあるカラフルなパレット。
「古風とモダニズム」 RETRO & Modern
日本的な美意識と西洋のモダンをミックスした斬新で時代を超えたときめきを感じさせる。
カラー:
モダンでジャポニズムを感じさせるレトロカラー。
リズムを感じるポジティブな色。