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2022 05 Jul

「ロエベ」がロエベ財団クラフトプライズ2022の大賞および特別賞を授与


 「ロエベ(LOEWE)」が2022年6月30日、第5回目となるロエベ財団クラフトプライズ2022の大賞を韓国のダヘー・ジョン作「タイム・オブ・セレニティ」に授与すると発表した。

 ファイナリストは2022年の1月、116の国と地域からなる3100点以上の応募の中から専門家たちによって30名を選出。15の国と地域を代表するファイナリストたちの作品が扱う素材は、陶磁器、木工、テキスタイル、レザー、かご編み、ガラス、金属、宝石、漆など多岐にわたる。さらにファイナリストの中から、建築家、ジャーナリスト、批評家、キュレーターなどから構成している審査員により、大賞を選出した。

 素材、技術、創造的革新の熟練した結実を見てとることのできる示唆に富んだ作品が揃った今回のクラフトプライズ。個々の作品は作家独自の思考と技術の表れであるだけでなく、今日のカルチャーについて物語るものでもある。

 大賞のバスケットには、500年の歴史を持ちながら、これまで韓国では失われた技術と考えられていた馬の毛を使った帽子作りの技法を用いた。審査員は、クラフトプライズの主要な目的の一つである伝統の復活と更新に向けられたダヘーの献身的な努力と、作品の緻密な完成度、透明感、軽やかさを賞賛した。

 また、特別賞には、南アフリカのアンディル・ディヤルヴァーヌが制作した「コーニッシュ・ウォール」とドイツのユリア・オベマイアによる作品「フェボーゲン」を選出した。

 2016年より毎年発表しているクラフトプライズは、現代のクラフトマンシップの卓越と芸術的貢献、先進性を讃えるもので、クリエイティブディレクター、ジョナサン・アンダーソンによって着想した同賞は、今日の文化におけるクラフトの重要性を認め、アーティストの才能、ビジョン、革新への意欲を未来に欠かせないものとして再認識することを目指している。同賞は1846年にクラフトの協働的な工房としてスタートした「ロエベ」の原点を賞賛するものでもある。

 なお、30点の最終選考作品はソウル工芸博物館(SeMoCA)で7月31日まで展示する。

■ロエベ財団クラフトプライズ2022受賞作品
大賞

「タイム・オブ・セレニティ」(2021年)
ダヘー・ジョン(1989年生、韓国)


特別賞

「コーニッシュ・ウォール」(2019年)
アンディル・ディヤルヴァーヌ(1978年生、南アフリカ)

「フェボーゲン」(2021年)
ユリア・オベマイア(1989年、ドイツ)

「ロエベ」公式サイト