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2020 26 Nov

「フェンディ」が環境の持続性の最高基準を満たす「フェンディ ファクトリー」プロジェクトを発表

 

 「フェンディ(FENDI)」は、2022年の開業を目指してトスカーナ州バーニョ・ア・リーポリに建設する新工場「フェンディ ファクトリー」の礎石敷設式典を行い、同時にサステナブルな戦略に焦点を当てた「フェンディ ファクトリー」プロジェクトを強調した。

 同社は2018年8月からこのエリアを整備して工事の準備を進めており、東京ドームおよそ2個分に相当する8ヘクタールに当たる広大な敷地に、様々な生産エリア、オフィス、倉庫などを擁し、ヒトとモノが容易に循環する合理的なスペースを作る予定だという。

 新工場は環境性能に優れたビルが受けるLEED プラチナ認証を目指し、内壁は日光を遮らないようガラス製で作り、従業員はトスカーナの田園地帯と地元のさまざまな植生を再現する完璧な設計の中庭を穏やかに眺めることができる仕組みになっている。一方、外壁ガラスは工場を環境に溶け込ませるため、トスカーナ丘陵の色合いを反映した特徴的なアースカラーの土とコンクリートを使用。また同敷地内には幼稚園や公園も併設し、生物多様性のアプローチに従って在来の植物種と植物の成長に特化させたいくつかのエリアを備えている。

 「フェンディ」はこの機会に改めてサステナブル戦略を強調し、環境の持続性と社会的責任に特化した取り組みについて発信するため、公式ウェブサイト上に、「環境」「サプライチェーン」、「コミュニティ」という 3 セクションに関する情報を提供する新ページを開設する。ここでは、同社のハイエンドで耐久性のある製品に使用される持続可能な材料、優れた環境特性を持つ生産現場と店舗、サプライチェーンの透明性と責任性、ローマのマッソーリアカデミーを通じた若い才能を育む教育と訓練への長期的な取り組み、さらに「LVMH インスティテュート・デ・メティエ・ド・エクセレンス」トレーニングプログラムに関する詳細を発信していく。

 これまでも「フェンディ」は、製品のライニングや包装用に植物から採取した繊維素セルロースベースの素材を採用し、BCI(ベター・コットン・イニシアティブ)認証済みコットンとリサイクルポリエステルで作ったアイコンバッグ「ピーカブー」と「バゲット」のカプセルコレクション「FF グリーン インターレース」を発表した。またイタリアの各地域から1名ずつ職人を選出し、「バゲット」バッグに独自の解釈を依頼するという「ハンド・イン・ハンド」プロジェクトも実施し、熟練職人のクラフツマンシップを駆使した製品の制作に加え、強力な人的ネットワークも作り上げて、イタリア全土でこれらの地元の職人の希少な工芸品、クリエイティビティ、そしてサヴォアフェールを保存し継承することを目指してきた。

 さらに今年のホリデーウィンドーにはリサイクルされた素材で作られた建築要素と、リサイクル、および再生された製品の使用工程で得られたサトウキビ由来の泡状物質を融合させた作品がディスプレイされる。ホリデーシーズン中、ローマ本店「パラッツォ フェンディ」、ロンドンのニューボンドストリート店、パリのモンテーニュ通り店、ニューヨークのマディソンアベニュー店といった世界の一部旗艦店で、新型コロナウィルスの影響により在庫となっていたマッツカートガラス社のヴェネツィアングラスのシャンデリア 37 個を解体して製作した17 個の特製シャンデリアを展示する。同時にウィンドーデコレーションには、同社生産工場から排出された 49,340 平方メートルの廃棄レザーも使用される。

文:田中美貴

 

「フェンディ ファクトリー」 完成予想図

■問い合わせ先
フェンディ ジャパン
TEL:03-3514-6187

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