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2021 19 Oct

「ルルムウ」2022春夏コレクション ロマンチックなカントリースタイルにほのかな退廃ムード

 

 

 「ルルムウ(rurumu:)」が2021年10月18日、東京都豊島区の自由学園明日館でランウェイショーを開催。同ブランドにとっては同年4月に続き2回目となるショーだ。

 

 東佳苗デザイナーが観た映画「イン・ザ・ハイツ」のエンディングからヒントを得たという今回のコレクション。登場人物の老婦人が人生を振り返るシーンが印象的だったという。そのシーンから得たインスピレーションをショー演出に採用。会場の庭では、老婦人がお茶と絵本「The Rabbits' Wedding(邦題:しろいうさぎとくろいうさぎ)」を楽しむ姿をゲストに見せた。

 ショーは同館の屋内で進行。英国風の植栽を設えたセットバックにモデルたちがポージング。素材や柄、ディテールは英国のカントリースタイルを彷彿させる要素をふんだんに盛り込んだ。夏のイングリッシュガーデンを思わせる草花の柄、クロシェ編み、フリル、レース、アップリケ、ペチコートなど。そこに、うさぎのぬいぐるみや蝶やうさぎ、熊のモチーフ、イラスト柄などを入れてロマンチックさを強調、またハギやほつれ、切りっぱなしなどのダメージ要素も入れて同ブランドの持ち味である退廃ムードもほのかに感じさせた。

 

 

 

  中でも目をひいたのは画家・網代幸介の作品をプリントしたアイテム。神話や想像上の生き物のモチーフや幻想的かつ退廃的な作風で知られている彼の作品から東デザイナーがセレクトしてアイテムを製作した。

  フィナーレでは最後にコンセプトワード“continued story”を背面にあしらった少女モデルがウォーキング。人生を振り返るような演出で締めくくった。

 ショー後のインタビューで東デザイナーは「前回のショーの後認知度が上がったと感じている」と喜びの表情を見せ「ニットを作る人というだけでなく、ファッションデザイナーとして知ってもらった」と話した。今後もショーでのコレクション発表に意欲を見せ、商品の量産化増加、海外進出も想定していると話した。展示会ベースで販売をし、カルト的に人気を示してきた同ブランド。どのように事業を拡大していくのか楽しみである。

(取材・文:山中健)

 

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