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2021 14 Oct

「アレキサンダー マックイーン」2022春夏ウィメンズ ストームチェイシングからのインスピレーション



 

 「アレキサンダー マックイーン(Alexander McQueen)」が、2021年10月12日、2022春夏ウィメンズコレクションを英ロンドンにて発表した。会場となったのは、ロンドンの景色が一面に見える、市内のビルの屋上に設置された透明のクーポラ。このコレクションでは「水がテムズ川のほとりの泥から空へと絶えず移動し、変化する、すべてを網羅する素晴らしさを表現」しているとか。景色や空を観察すること(ストームチェイシング)からインスピレーションを受け、「それは謎と興奮の連続であり、次に何が起こるかわからないという事実を受け入れることでした。コントロールすることをやめ、予測不可能なものを直接触れるということは、自然の最も激しい一面を感じることでもあり、自然の一部であることを受け入れ、自分たちよりも大きくパワフルな世界と一体となるのです」とサラ・バートンは語る。

 そんな空の動きは、青空に浮かぶ雲のプリントがなされたドレスや、白とブルーのグラデーションのフリンジドレスなどで色覚的に表現されるものもあり、パラシュートスカートやボリュームのあるパニエ入りスカート、フェザーを使ったドレスなどのフォルムからも表現されている。

 一方、イギリスらしいピンストライプやグレンチェックのテーラードテイストのスーツやジャケットに様々なディテールを加えたルックも印象的だ。それは例えばスリーブ部分だけがフリルやギャザーで強調されていたり、前身ごろがカットされジップ仕様になっていたり、ゴージャスなレインドロップ刺繍が施されていたり。またはフロントとバック部分が別のアイテムのようなコントラストやアシンメトリーのフォルムのものもある。

 また、マイクロ丈のアビエータージャケットにチュールネットのスカートのコーディネート、デニムのチューブトップドレスとレザーのビスチエのレイヤードなど、パンクテイストも混ざり合う。モデルもストリートでハントしたかのような個性的な面々が登場(その中にナオミ・キャンベルも)。

 サラ・バートンが言う「マックイーンの服に身を包んだ女性をストームチェイサーとして表現し、そのキャラクターの情熱に個々のコミュニティを団結させる力があるというアイデア」が、それぞれにパワーを持ったピースたちによって表現されている。

女優のエミリア・クラーク

女優のヴァネッサ・カービー

芸術家のダフネ・ギネス

文:田中美貴

「アレキサンダー マックイーン」公式サイト

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