繊維ニュース 編集部ブログ

2019 12 Feb

LVストリートの産物

 【東京本社】仏ブランド「ルイ・ヴィトン」が、1月31日まで開設していたポップアップストアに行ってきた。東京メトロ・明治神宮前駅に隣接する立地に、ヴァージル・アブロー=メンズ・アーティスティック・ディレクターが就任して初のコレクションとなる19春夏シーズンのアイテムを先行販売していた。抽選券待ちの行列も覚悟したが、たまたま運が良かったのか抽選券なしで入場できた。オープン初日には1100人以上が列をつくり、極寒の中、世界中からファンが詰めかけたと言う。入場すると販売員がマンツーマンで説明してくれる。シーズンテーマや限定商品の詳細、さらに「4千万円のDJブースに買い手がつきました」とよどみなく話す姿に、レベルの高い教育を受けている印象を持った。

 店内では中国語や韓国語、英語、フランス語などが飛び交っている。日本語は少数派だった。ストリート感満載のスニーカーも気になったが、来店者の構成も気になるところだ。3Dプリンターで制作した等身大マネキンは、格好の撮影スポット。マンツーマンに張り付く販売員から「インスタやってます? 一緒に撮りましょうか?」と誘われたが、丁重にお断りした。5㍍近くあるレインボーカラーの巨大オブジェも、3Dプリンターで制作したもの。実在する男性モデルをスキャンした代物である。理路整然とハイエンドなストリートアイテムが並ぶ店内。欧州ラグジュアリーブランドは、常に伝統と革新を意識してコンセプトを立案するものだが、そこにストリートが加わった衝撃。いや衝撃というより、当然と見るべきなのだろう。(市)