繊維ニュース 編集部ブログ

2020 31 Mar

長期戦

【東京本社】新型コロナウイルス関連の取材を始めたのは123日の湖北省・武漢封鎖からである。感染は瞬く間に中国全土に広がり、中国企業の春節休業の延長、地域別の工場の操業再開、稼働率が話題になった。操業が再開できても、物流の混乱はひどい。トラックを確保しても、高速道路の閉鎖、エア減便への対応などがクローズアップされていく。世界のサプライチェーンの中核を占める中国生産が、ASEAN縫製の生地調達の面でも影響を与えていった。

 日本の3月店頭、4月店頭商品は間に合うのか、といった問題もあった。さらにインバウンド需要減、株価の大幅下落による消費マインドの低迷、イベント自粛などの小売店頭問題も浮上。客足減、売り上げ減は、キャッシュフローを悪化させ、資金繰りが喫緊の課題となる。政府は倒産防止に向けたさまざまな事業者支援策を打ち出した。

 そんなこんなの2カ月余り。東京五輪は来年に延期となり、パンデミックの中心は欧州や米国に移っている。世界の感染者数は70万人を突破、死者も3万人を超えた。外出自粛どころか、経済活動も悪化をたどる。新型コロナの収束は半年どころか、1年以上かもしれない。長期戦である。                                                      (康)