繊維ニュース 編集部ブログ

2018 16 Aug

浜松の法被

 【中部・北陸支社】遠州地域は、江戸時代からの綿の三大産地。特に浜松産地はかつての規模と比べれば縮小を余儀なくされたものの、綿ポプリンの代表格「遠州1号」を生み出した産地だけに依然として高級品を主体に個性派の機業が多く、毎月のように取材に訪れる。

 そんな中、恥ずかしながら初めて、浜松駅前にある花壇にみこしと一緒に各町内独自の法被が写真にして並べてあるのに気が付いた。5月に行われるたこ揚げで有名な浜松祭りでは、各町内が自慢の法被を着てみこしを担ぐのだろう。それだけでなく、市内には至るところに法被専門店がある。個人的な祝い事など小さなイベントでも祭り好きな浜松っ子が自慢の法被を羽織り、雰囲気を盛り上げているのかもしれない。

 9月には遠州産地唯一の糸染め業者が廃業するという。先染めの高級シャツを扱っている産元や

小幅織物業者が影響を受けるなど繊維を取り巻く環境は、ますます厳しくなるばかり。それだけに気分を明るくしてくれる法被と同様に、産地一丸となって、新たな価値を創造してもらいたい。(聡)