繊維ニュース 編集部ブログ

2018 11 Dec

持続可能性の条件

 【東京本社】「H&M」は今月から買い物袋を無料のビニール製から有料の紙製に切り替える(11月14日付「繊維ニュース」既報)。今年はプラスチックごみの投棄を防ぐためのキャンペーンが多数展開され、中でも同社と「スターバックス」のようなメジャーブランドの方針は、日本の消費者に「脱プラ元年」を印象付ける。

 H&Mの会見では「なぜ始めから紙製バッグを導入しなかったのか?」という質問が出た。ルーカス・セイファート社長は「社内でも議論があった」と前置きした上で、プラスチックはリサイクル可能な上、紙は森林の伐採などの問題もあり、プラスチックを選んだと説明した。第1号店がオープンして10年、環境保全に関する常識は変化しているということだ。

 サステイナビリティー(持続可能性)とは、地球環境に悪影響を与えるものを強制的に排除するのではなく、環境を保全しつつ持続可能な産業や開発を進めていく姿勢を指す。保全のための取り組みの継続はもちろん大切だが、柔軟性を持ち、ときに常識を考え直すことも忘れてはならない。(周)