桑原 ゆう

2019 21 Jan

10Jan2019_ラ・ルベルティーナ 第6回演奏会

The first performance of my work this year!!

"Thirty-three Moons" for a mixed ensemble consisting of both Renaissance recorders and Baroque recorders was world-premiered by La Rubertina.


今年最初の作品発表は、リコーダーアンサンブルのための《三十三の月》初演。リハーサルにお伺いすると、とても丁寧にさらってくださっていたので、感激しました。昨年、手にあまるほどの作曲量を抱えてしまい、いちばん苦しかった時期に書いた曲なので、心配もありましたが、想像どおりに鳴っていてホッとしました。

 

《三十三の月》プログラムノートはこちら↓

“これまでに「月」をタイトルに付した作品をいくつか書いていますが、そのどれもが「すべる」音=グリッサンドにフォーカスしています。草野心平『河童と蛙』に「河童の皿を月すべり。」という一節があり、子供のころに読んだこの詩の印象があまりに強く、「月」というと、どうしても「すべる」という動詞がセットになって連想されます。《三十三の月》もリコーダーの「すべる」音に重点を置いた作品です。タイトルは中尊寺での如意輪講式のテキストから引用しました。観音さまは、あらゆる人を救い、あらゆる願いをかなえるため、場合に応じて三十三種類のお姿に変身されるそうで、「三十三の月」はそれに基づく一節なのだそうです。タイトルの通り、ある四小節のまとまりが少しずつ変化しながら三十三回繰り返される(作曲のプロセスでその構想から外れてしまったところもありますが)あいだに、「水」に基づいた別の要素(私にとって、「水」も「月」から連想するイメージのひとつです)が挿入され、音楽が展開されていくよう作曲しました。”


ルネサンスリコーダー(A=466Hz)とバロックリコーダー(A=440Hz)の混合による七重奏で、グリッサンドを多用し、揺らぎのある、浮遊するような音響をお聴きいただける作品です。ソロでピッチの違うリコーダーを複数用いる作品は知っていますが、アンサンブルでそのような編成は珍しいのでは。

 

私の作品の肝である途切れそうで途切れない緊張感、空間と呼吸とが連動して膨らんだりしぼんだりするさまをよく表現してくださったルベルティーナと、それにしんとして耳を傾けてくださったお客様に感謝です。リコーダーの作曲についても経験を積みたいです。

 

 

 

 

 

 

リコーダーアンサンブル "ラ・ルベルティーナ" 第6回演奏会

 

イタリア、16世紀のフロットラ4曲

ハインリッヒ・イザーク (1450-1517): 戦いにて

ヨハン・ハインリッヒ・シュメルツァー (1623-1680): 7本のリコーダーのためのソナタ

ヨハン・セバスティアン・バッハ (1685-1750): フーガの技法 BVW1080 より コントラプンクトゥス1&9

ピーター・フィリップス (1560-1628): パッサメッツォによるパヴァン

トマス・タリス (1505-1585): 4声のイン・ノミネ

ロバート・パーソンズ (1535-1572): 7声のイン・ノミネ 

アルヴォ・ペルト (1935-): 等間隔

桑原 ゆう (1984-): 三十三の月

 

2019年1月10日 (木) 2回公演
@日本福音ルーテル東京教会 (東京都新宿区大久保1丁目1-14-14)
演奏 | 田中せい子、ダニエレ・ブラジェッティ、大塚照道、桐畑奈央、高橋明日香、中村友美、福岡恵、宮里安矢
stanaka8.wixsite.com/studio-fontegara/rubertina

 

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旧ブログ "桑原ゆうの文化的お洒落生活のすすめ"はこちら (現在少しずつ記事を移行中です。)