船橋 芳信
カシミアロングベスト!
私たちのアトリエも,5月4日より,再開いたしました。
続々と出来上がって行く,私たちの洋服、
【カシミアロングベスト】
今秋,に向けてこちらはアメリカ、ナンタッケット島のブティックに出発します。
重量感がありながら,すっきり仕上がり、高級感の在るスタイルを演出していただけると思います。
服作りに未来はある?
アパレル大手のレナウンの倒産は、衝撃的だった。いや衝撃的と言うより、アパレル業界の不況は知ってはいても、 まさかレナウンが倒産するとは、思っていなかった。
全アパレルが不況の波に揉まれ、苦境に瀕している。小さなアトリエの小さな生産をアトリエで生産する超小規模の我々には、 流行と言うファッションの流れさえもが、意識の外に置いてしまっている。 物作りの精度と技術向上に日々の時間を費やしている。 手間は出来るだけ省かず、時間をかけて縫製する。裁断する時は、必ず蒸気で生地のテンションを調節し、 それから裁断するが、基本的には一枚一枚を裁断する。合い印には躾け糸で、印を縫い、縫い終わったら必ず、 縫い割のアイロンをかける。素材に依っての芯据えは、何度も試す。 量産システムがやらない方法、出来ない方法を、わざと選んで手をかける。 そうすることによって、他にはない洋服になるように作って行く。 ボタン等の付属品は、それこそ大切なアイテムで、大きさ、マテリアル、形デザインとの相性等細やかに検証して行く。 一番良く使うボタンの素材は、角、骨、陶器、ココナツの皮、貝、プラスティック、である。 ボタンの種類は、100種類はあるが、以外とボタン合わせは難しい。 クラッシックで、上品な、しかも存在感があるボタンは、サンプリングの時に選ぶ。 しかし、服のデザイン、生地の持つ素材感、色,に合わせる段階でしっくりと来ない事が大半である。。
少ないロット生産だから、単価は高いものになっていっている。 素材で言えば、カシミア、高級ウール、シルク、麻,アルパカ、ラマ、駱駝、重衣料が専門になって、 コート、ジャケットパンツ、スカート、ワンピース、、、今秋のコレクションにカシミアのストレッチパンツを作った。 上代が250000円相当のパンツである。一点でも売れないかと愉しみにしているが? コロナウィールスが去った後、消費の低迷が言われている。 そして来る第4次産業革命に、こうした小さなアトリエは、生き延びる事は出来るのだろうか? 人が感覚と培った技術で一点一点の服作りは,生き残って行けるのだろうか?