船橋 芳信
ブティックの今、昔、
ブティックの今、昔、
先日、神戸のブティック、Kさんがご挨拶にと我がアトリエを尋ねられた。
2年前に、お店を閉める準備をする為に、買い付けは控えさせていただきますと言う連絡があって、2年を経た。
お元気そうな様子を見て、先ずは安心感を覚えた。
コロナウィルスの蔓延する中、ミラノ迄ご挨拶の為に御出でになるという、其のお仕事に対する真摯な態度は、
いつも其のお人柄に魅せられていた。
商売が終わったからもう他人という、そんな付き合いではない。
商売している時は、いつも緊張感を感じさせられていた、怖い存在の1人であった。
2年前に、引き継ぎにと社員にお店を譲ろう考え、準備していたところ、
3人の社員から、我々には引き継ぐ勇気が持てないからと断られたそうだ。
其の経緯には、相当のショックを伴ったそうだ。
それでも、ブティックは我が人生、このブティックと共に、人生を終わろうと1人で続ける覚悟を決めたそうである。
そうこうしているうちに、1人では大変でしょうと、昔からのお客さまが、1人又一人と
合計4名手伝いを申し入れてくれてるそうだ。
この厳しい不況の中を昔からのお客さんが、ブティックの店員になって、、
キリモミしながらと笑いながら説明してくれる。
この話は、このお店の状況は、明るさが響いている。若さがある。
情熱がそれを感じさせてくれるのだろうか?
ヘーゲルの言う、絶対精神とは人間が自由で在る為に、情熱を持って自由を獲得する為に、行動する事である。
持続と安定を求める精神には、停滞と消滅が待ち受けると!
kさんの行動、精神には若さと輝く情熱を、感じる。
年齢と若さとは関係ない範疇なのだ。正に物質と精神、相反するものの拮抗それに立ち向うkさん、
それは素人のお客さんが、ブティックの定員、これ迄とは全く逆の立ち場を演じてらっしゃる其のブティック、
なんかほのぼのとしていて行ってみたい気がする。
私の服も置いてみたくなる気がする。
どんな雰囲気のお店になるんだろうか?
kさんのお店は超高級ブティック、其の長年の顧客さん達は、神戸の高級住宅に住む御夫人達でいらっしゃるのでは?
そんな、ハイレベルな人生生活を営まれているキャリアの店員さん達の働くブティック、
やはり興味は尽きず、次回日本行きには、是非訪れてみたいと願っている。