船橋 芳信

2019 23 Oct

2)第20回アトリエ・コンサート


第20回アトリエ・コンサートを、終えて!

 
20回目のアトリエ・コンサート、1回目から2年半を経た。
アトリエ・コンサートを支えてくれる若い音楽家が、集まって
コンサートを円滑にすすめてくれている。
スタッフとして、コンサートを助けてくれる。
三人のディレクターと2人の料理スタッフ、入場者を管理し、連絡先をプールするスタッフ、
会場の設営、照明、椅子の配置、など3名、
夫々のスケジュールにもよるのだが、毎回8名から10名が、
ボランティアでのアトリエ・コンサートを、支えてくれる。
 コンサートのを続ける動機は、音楽家へ演奏の場を提供して、
演奏家にとって、発表の場、表現の場となり得ること、
結果、オペラ音楽ファンを、広く生み出すことにある。
 実際に会場は狭く、演奏家は直ぐ目の前で演奏する。
故に演奏家は緊張を強いられ、聴く側もその会場、空間には、
張り詰めた雰囲気の緊張感が生まれ出ている。
 そんな中での演奏会では、演奏家の息遣い、音楽と呼吸の一体感が、
空間の静謐さとテンションの高さを生んでくれる。
  20回、このコンサートを聴いていると、演奏家とのコミュニケーションに、色んなタイプを感じてくる。
 演奏家は誰もが、演奏に集中しているのだが、大きく二つのタイプに分けてみた。
 1】学んだテクニック、歌唱法、楽器の演奏を、聴衆の前で
いかに良く表現し、其の表現の為に、集中する音楽家。
2】演奏を通じて、如何にして聴衆に、自分の表現を伝えるかに集中する音楽家。
音楽は時間芸術である。時間の概念は、漠然として流れる空気みたいなものです。
聴く人全員に感動を与える演奏とは、聴衆が感覚的に,同室空間の中で、その空気を、
深く一緒に呼吸するという同一現象が生まれるのです。
音楽の感動は、正に一体感ある呼吸に依って、もたらされるのです。
 呼吸も肺呼吸ではなく、横隔膜の丹田に届く深い呼吸を、聴衆それぞれが、同一に感じるのです。
それを妨げる演奏は、どんな要因でも外されます。
 歌唱法で言えば、歌うポジションが、胸であったり、喉であったり、息を止めて歌ったり、
強く押して歌ったり、すると、聴衆には不快感を感じるのです。
音楽を聴くと言う行為から、集中力が途切れて、音楽の中にいながら、
眠くなったり,他の事に想いを馳せたりして行きます。
例えば、歌手が、歌っている最中に、自分の耳で自分の声を聞き始めると、
歌手の頭の中では、色んな調子合わせを始めます。
結果、この歌手は歌う事への集中力を失っているのです。
集中力のない歌、音楽程、退屈なものはありません。聴衆は聴く集中力を失い、
他の事をアレコレ考えてしまい、退屈さを呈するのです。
そんな条件の中での、狭い空間でのアトリエ・コンサート、実験的コンサート、
これからもこのコンサートの動機、実験的表現の場として続けて行きたいと考えています。