芹澤 絵美

2020 25 Oct

ソーラーパネルを設置しました

先週の木曜日、
我が家の屋根についにソーラー・パネルが設置されました。

15年に一度の大仕事、屋根ペイント」でも書きましたが、

屋根ペイントをしたのも、このソーラーパネル設置が予定されていたからでした。

朝から若者4人がやってきて、屋根の上のチーム2名、
バッテリーとスイッチボード設置チーム2名に分かれて作業が始まりました。

素人な私は、2時間くらいでソーラーパネルが屋根の上に設置され、
その後配線等を行うのかと思い、テンション高めでその瞬間を待っていましたが、
パネル設置は、1日の終わり、一番最後でした。

私は何もしていないけれど、疲れました(笑)

屋根チームは、パネルがはめ込まれるレールのようなものをまず屋根に設置し、
レールに送電線を組み込んでいきます。
その送電線を地面の上に設置されたバッテリーまで配線する為に、
屋根の上から床下まで美しく固定していきます。

バッテリーの周りで作業する地上部隊の様子↓

家の周囲はコードだらけ!

この夥しいコードを1本のラインにまとめ、
なるべく目立たないようにソーラーパネルとバッテリーを繋げる作業に、
1日のほとんどの時間を費やしていました。

そしてバッテリーと家の中に設置されるスイッチ・ボードとの配線に、
壁に穴を開けなければならず、その位置はエレクトリシャンと事前の話し合いの末、
私の意志が尊重され決定されました。

日本に住んでいた頃は、実家、東京のマンション含め、
壁に穴を開けるなど、私にとっては未経験でありあり得ない!ことでした。
賃貸においては画鋲の穴1つ開けるのも躊躇するのが日本の常識だと思いますが、
どうでしょうか??

けれど、壁に穴を開けないのであれば、
新しいスイッチボードとバッテリーを繋ぐ配線がすべて壁の外に出てしまうので、
それはもっとあり得ない!ので、
壁の中に配線をすべて美しく収めて頂く為に穴を開けてもらうことにしました。

写真上、左が旧スイッチボード、右が新スイッチボード。
日本だとブレーカーと呼んでいるものです。
新しいスイッチボードは、停電時に配電をコントロールする為に設置されます。

停電が起きたときに、照明、キッチンの電源、インターネット
のみに蓄電電力を供給し、その他の電源を落とすことでバッテリーの消耗を抑えます。

このキャビネットの中に、
バッテリー、インバーターが納められています。
昔と比べてずいぶんスマートになりましたね。

この国ではソーラー・パネルの設置はそれほど進んでいませんが、
環境負荷の低い「クリーン・エネルギー」ということで、
エコ意識の高い人々が割と積極適に設置し始めているようです。

近年のソーラーパネルは自己完結型のオフ・グリッドではなく、
グリッド上で各家家と繋がり、
地域全体で電力供給を支える巨大ソーラーパネルのような構想が主流になっているようです。

私が契約を決めた会社「ソーラーゼロ」は、
ソーラー・パネルを売って設置して終わり、ではなく、
20年間一緒に発電を行うパートナーという考え方をしており、
月額$85を20年間支払うシステムにすることで、
ユーザーへのソーラーパネルやバッテリーの料金負担を減らし、
メンバーを増やしていくことを目的としています。

このメンバーシップには、
10年ごとの新しいバッテリーの設置、
故障時のメンテナンス、全て含まれています。

売ったら売りっぱなしで、
修理やメンテナンスで誰か人を呼ぶ度にコストがその都度かかる、
従来のソーラーパネル事業とは一線を画した考え方だと思い、この会社を選びました。

私は、ニュージーランドの人々のように、
ソーラー発電を「グリーンでクリーンなエネルギー」とは実は思っていません。

ニュージーランドでは、
ソーラー発電に関わるハードウェアもソフトウェアも一切開発生産していません。
ハードに関してはほとんどが中国を始めとするアジアでの生産です。

今回の設置で夥しい数の部品を見ました。
テクノロジーが詰まった素晴らしい部品達です。
これら製品を生産する為に、膨大なエネルギーを消費しています。
そのエネルギーは原子力発電や火力発電であり、
まさしく今現在ニュージーランドが否定もしくは減らそうとしている発電方法で生成されたエネルギーである可能性が高いと思います。

自分の国だけならグリーンでクリーンな発電かもしれませんが、
その発電を支えるテクノロジー、製品を生産している国では未だに原子力発電や火力発電を必要としているのです。
その現実を度外視して、手放しで「グリーンでクリーン」なエネルギーを使用していると自己満足することは、
割と現実的な私には出来ません。

清らかな水を得る為に汚れた水がある

自分の国の努力だけでCO2を減らしたのでは無く、
どこかの国のCO2を増加させただけ、キツイ言い方をすれば汚れ仕事を押しつけただけとも言えます。

なので、私にとってはソーラーパネル設置は単なる停電対策であり、
グリーンでクリーンなエネルギーを作り出している自己満足感はありません。

そして、必要なテクノロジーを生み、
生産してくれた他国の見知らぬ人々に感謝します。