六本木 真弓

2019 10 Oct

阿波藍に着目

表参道で開催中の某ブランドの「藍の源流」プレゼンテーションでは、2020年春夏向けのインスタレーションを見せていた。

徳島県で作られる、古くから伝わる日本の伝統染色の藍染の原料『阿波藍』にフォーカスしている。

 

 

江戸時代の後期、商人や職人、農民の多くが「藍染の木綿」を着用していた。

藍染め木綿には「スーパー繊維」と呼ぶにふさわしい抗菌防臭・防炎難燃・虫除け・蛇除け等、数々の効能が有ると言われている。

江戸時代の働く人々のワーキングユニフォームだった。

明治8年に政府の招聘で来日したイギリスの科学者ロバート・ウイリアム・アトキンソンが、その藍色を「 ジャパン・ブルー」と名付けたそうだ。

2020年東京オリンピックのエンブレムの市松紋の鮮やかな「ジャパン・ブルー」の目にする機会がここにきて増えおり、「エンブレム・ブルー」が、「藍」の世界を広げている。

 

東京五輪・パラリンピックのエンブレム(Tokyo 2020提供)

 

 

「藍」と聞くと藍染の浴衣や手拭いなど、布製品をイメージするが、藍の葉を練り込んだビスコッティーなど「食べる藍」もある。

 

 

「阿波藍」は、1700年代には全国市場を支配し、明治時代に入ると、さらに需要が拡大したが、明治後期には安価な合成染料の輸入により急速に衰えた。

現在は、伝統産業、観光産業として維持されている。

オリンピックを機に、「阿波藍」を見つめなおしたい。

 

 

㈱六本木事務所