生地 雅之

2020 24 Feb

社長交代

最近のTOP交代はかなり意図があるものと感じます。

1.「ファンケル」のCEO復活

ブランドに対する熱い思いの実績は素晴らしいものがあります。

しかし、「経営者は老害にならないように、65歳ぐらいで引退したほうがいい」とは

老害とは年齢で区切るものではなく、実感した時ではないでしょうか?

 

そして「期待する後継者像」として、
①私と価値観が合っていること
②10年くらいは勤めて力量が見極められていること
③「才」と「徳」を兼ね備えていること
④上からも下からも人望があること
⑤複数の帽子をかぶれること、すなわち会社全体の利益を考えられること
という条件を示しました。とありますが、

 

①は価値観が合う事などありえません。部下が合わせているのです。

いつも提言しているように、生まれも育ちも年齢も仕事も事なる人生で合うというのは何処までの事を表現しているのでしょう。

②力量を見る事は正しいと思いますが

③才と徳を兼ね備えている事は、できるなら素晴らしい事なのですが、完ぺきな人間など存在するのでしょうか?努力が報いられるなら、、

④は自分では決められないので、我が道が評価されるのなら有りえるでしょう。ご本人は?

⑤「複数の帽子」は言い得て妙です。業務の幅と深さをすべてクリアすることは不可能なので、一か所でも深堀でき、それを横に広げられるなら経験していない他部署で何が起きているのかを推測や把握できるのです。

よって、縦軸の上に横軸を乗せ、「Tの字」ができれば十分でしょう。

自分が起業して育てた会社の将来に、最善の道を求めるのは創業者の義務でしょうと、

 

お客様から見たブランディングを認識されている事は素晴らしいのですが、ご本人は方針を変えたくないのです。

過去にも提言しましたように、この様な人は他人に任せられないので、死ぬまでTOPを続けるべきなのです。しかし、それを認識されているからカムバックされたのでしょう。

 

2.「しまむらの社長交代」について

昨今時期的に起こる社長交代とは別に、このような意識ある改革をするための社長交代もあり、現実的に人事と評価制度で企業が変われる事には違いがないのですが、新たに向かう方向が正しいかは疑問です。

 

今回の施策に「商品のローカライズが出来ていなく、商品部の人員を1割程度増加させる」と

ありますが、方向は正しいのですが、本当に作業員(DB)が不足しているのでしょうか?

今までの方針が間違っていたのなら、その作業を修正するので、新たな作業員を増加させる

事ではなく、作業の中身を変更すべきなのではないでしょうか?

逆に今までその方針(全店共通)を出していたトップやミドルに問題があり、考え方の変更で

その後の作業が増えるとは思えないのです。マニュアル化ができる企業ならなおさら、、

 

また、数年前に客数増加する施策で値引多発との記事ですが、

「安かろうのみでは不要な商品は購入されない」のです。必要な商品なら安くなくても購入するのです。要は「必需品」か「必欲品」に特化しないと売れないのです。

 

そのためにも、自社・自店のマーケティング(今一度お客様を見る)というマーケティングを

やり直すべき時期なのでしょう。

根本的に間違いを見つけ、真摯に見直せば今からでも遅くはなく、活路は開けるのです。

作業員の不足が問題ではなく、考え方(戦略)とやり方(戦術)の根本的見直しが優先されるべきです。

 

3.「イオンの社長交代」について

岡田社長は十数年前から辞意を周囲に漏らしていたが、後任がなかなか見つからず、辞めるに辞められなかったのであり、形の上では岡崎氏も昇格した格好だが、これで事実上、吉田氏が“ポスト岡田”となる路線が固まったのであり、前任者が候補者の中から引き算して残ったのが今回のTOPなのでしょう。前任者も満足はしていないが、自分ではできないとの辞任判断なのでしょう。

 

また、記者会見のコメントの中に、岡田社長は吉田副社長を次期社長に選んだ理由として

「予測をして長期的な変化を見通し、採算を考えながら決断、交渉することにたけている」と説明されていました。

「想定外を想像しながら、果敢に対処できる新しいイオンのリーダーになってほしい」と期待を込めると、ありますが、言葉尻を捉えているのではないのですが、「想定外を想定して」とは既に想定内なのです。

真意を取れば、要は予測ができる幅(想定内)が広いという意味でしょう。それは素晴らしい事です。

 

しかし環境の変化は激しく、常に予測幅を広げながらも、どのような時期や環境でも自社にとってのベストチョイスができる経営者(リーダー)の育成以外には道はないのです。

新社長は「我々を取り巻く環境は大きく変化している。変化のスピードに負けない適応力が必要」とのことです。その上で「人材育成に力を入れ現場対応力を上げる。イオンの改革の方向性を見失うことなく、グループ戦略の実行責任者として重責を果たしていく」というコメントで、素晴らしいの一言です。

 

しかし、デジタル事業について、「特に強化したい。リアルとオンラインをどうやって融合していくか、社内で人材を集め、チームを作って対応する」と方針を説明し、長年の課題でGMSについては、「お客様のニーズと、現場の商品やサービスとの間にギャップがあるので、お客様の店になるように是正していく」とコメントされていますが、社内人材でできるのであればデジタル同様に既に出来ているはずなのです。

前任者がデジタルに長けて優秀と思って配置した人材を、先日発表で入れ替えていました。この意図は?

 

理由はできる社内人材がいるのなら、既に見つけていた筈なのです。いるのに見つけられていないのか、温存していたのか?そんな余裕はなかったと思われるのですが、、本当にいないのかを見極められないと、外部の人材も見分けられないのではないでしょうか?ここが大きな課題(すべての事業に通じる)なのでしょう。

 

まずは、デジタルとしての「VISION(GOAL)をどう見据えるのか」が不透明なのではないでしょうか?2019年6月4日付繊研新聞の繊研教室の小職の寄稿記事「EC事業の踊り場からの脱却」をご一読下さい。

また、GMSの課題は的確に捉えていらっしゃるのですが、これも社内人材で出来るなら既にできているのです。これからは、知恵とパワーゲームの時代なのです。資金力はあるのですから、知恵を仕入れないと進まないのです。

「総合スパーの衣料品の再構築方法」(小職によるダイヤモンドオンラインへの寄稿記事)をご参照下さい。

 

この件でいえば、課題を的確に認識しているGMS再構築の方が手を出しやすく、デジタルの方がまだまだ時間が掛かるものと見受けられます。

前任もGMSの課題は認識されていたと推測できるのですが、社内には適任者が存在していない(育成できていない事)に忸怩たるものを感じられていたのではないでしょうか?

 

2020 年1月7日の繊研新聞の1面に掲載されたファーストリテイリングの柳井さんのコメントに、経済評論家の倉本長治さんの言葉として「店は客のためにあり、店員と共に栄え、店主と共に滅びる」とありますが、名言です。

今回のイオンの異動はそれを意識されているように映ります。素晴らしいものです。後任にもそれ以上を期待しています。

 

その他、RIGHT-ONまで今期の低迷をMD戦略ミスと認めたのか、社長交代を実施しました。現状のTOPの責任の取り方なのでしょうが、これで良くなるのなら、、

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

弊社へのご連絡は、HOME-PAGEのお問合わせより、お願いします。