生地 雅之

2020 20 Jan

紳士服業界の未来

紳士服業界が苦戦しています。スーツは年間販売数量1000万着から7掛け程度に落ちてきています。それにクールビズの台頭により、ネクタイ業界は4掛けにまでシュリンクしています。スーツにおいては百貨店の販売数量よりも、ユニフォームとしてのスーツ(紳士服チェーン店やGMSのスーツ)も激減してきており、紳士服チェーンの未来は不透明感が漂っています。

 

紳士服業界の将来は、スーツをユニフォームと割り切るか、ファッション(お洒落)の一つとして認めて頂けるような啓蒙をし続けるかによって、全く異なる道筋を歩むのです。

過去にはスーツでデートと言った時代も存在していました。ソフトスーツの時代なのです。

その後、スーツはユニフォーム化しており、百貨店層における百貨店のスーツの2着セールはその最たる事例でしょう。

 

販売数量のメインである紳士服チェーン店の未来は、2000年問題(団塊世代のリタイヤ)に始まり、クールビズ、そして今後の少子高齢化も踏まえると、業界の先が見えません。

ではどうすれば未来が開けるのか?それは自社・自店のお客様を真摯に見直すべきなのです。要はマーケティングの再徹底以外に道はありません。勿論、顕在需要のみではなく、

 

これからもそうですが、お客様は自分では判らないテーストに浸っているのです。そのテーストを見極め、マスでのマーケティング大分類をし、その分類に合わせた世界観の構築をすべきなのです。細部はお客様に任せて、一般的にはこのどちらかに浸ればお客様は大筋満足を感じて頂ける世界観(テースト軸ワールド)を構築すべきなのです。

 

例えば、その2つの世界観で自店の売場で部屋を作り、その中でのシーン(パジャマ~スーツ=ケの日のビジネスとカジュアル、ハレの日のフォーマル、カジュアル=ハレの日のお出かけとケの日のワンマイルウェア等)の朝から夜までの提案を1ブランドPBで括るのです。要はテースト別にPBを構築するべきなのです。特にカジュアルは難しいと逃げずに挑戦して頂きたいものです。

 

そのためには百貨店PB開発と同様に、プロデューサーやディレクターが必要であり、それをコントロールできるマーチャンダイザーが必要なのです。百貨店同様業界には不在なのです。

ものつくりには長けているのですが、ソフトコントロールに難があるのです。これができれば当面紳士服業界は安定することでしょう。

 

その後、女性向け、子供向け、親(祖父&祖母)向け等のファミリー(3世代までの)を意識してファッション軸を構築した上で、リビングや食品(物販のみでなく飲食まで)に手を出し、客数ではなくファミリー数(家族数)でお客様を捉え、個人個人のLTV(ライフタイムバリュー)から、ファミリーのLTV(お気に入り)にまで成長させるヴィジョンの構築と実践が必要不可欠です。できないと思えばそこでSTOPします。

 

現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

 

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。

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