生地 雅之

2022 23 Jan

店頭リサーチ⓾

毎年恒例の新春の店頭リサーチが始まりました。毎年同時期にレポートしていますので、右下のアーカイブを紐解いてください。新春のみでなく、通常もリサー利は続けているのですが、特記事項がなければ、このブログにはそう記載はしていません。

82.ワークマンプロ(板橋)
ワークマンが作業用専門店の1号店を出したと話題になっていた店をリサーチしてきました。しかし中身は従来のワークマンそのもの(カジュアル要素が少ない)なのです。ワークマン∔(カジュアル色の強い)を出しその後ワークマン∔女子で女性まで取り込みだしていたのですが、最近は余りにもカジュアル色が強く、従来の作業員の方が入りにくい、買いにくいと言い出していたのです。本来のお客様を捨ててはとの事でなのでしょうが、作業用専門に戻してこの店舗を出したと認識したのですが、従来のカジュアル化する前のワークマンそのものに戻っていただけなのです。その商品MDは作業員には完成されていたという事なのでしょう。それはそれで素晴らしい事なのです。

しかし、ネーミングをワークマンプロと名付け、今までの作業員にとっての完成度を上げたように映ったのですが、実は何も変わってはいないのです。ワークマン∔女子も上記同様に、ワークマン+のサイズ展開を男仕立てのままSまでに広げた商品展開を増やし、「女性にも対応できる」と謡っており、色を少し増やしただけで商品の幅出しをしなく、女性向けと見せて売る手法は中々大したものですが、今回のプロは行き過ぎ勘が否めない事実なのです。

そうであれば、この「ワークマンプロ」という店名は従来の「ワークマン」で良かったと思われるのです。それをわざわざプロと名付ける必要などはなかったのではと思われるのです。折角ワークマンというネーミングで、既存の作業員の方たちには根付いており、変える必要は全くないのです。因みに青イメージの「ローソン」が僅かの商品違い(ほとんど青のローソンにある)により、ワイン色イメージの「ナチュラルローソン」に変更し、鳴かず飛ばずであり、100店舗強からは大きく増えてはいないのです。殆どコンテンツ(商品構成)が同じなら、200m先のローソンで買い物を済ませ1Kmも遠いナチュラルローソンに行くはずがないからなのです。

極論の例としては、コーラの自販機によるコカとペプシの売上の差なのです。北米ではペプシが55%程度のシェアであり、コカ・コーラは少数派なのですが、日本では95%がコカ・コーラなのです。理由はベンダー(自販機)の数でペプシが戦略負けしているのです。上記ローソンのように、コカ・コーラのベンダーが200m先にあるのに、いくらペプシが好きでも1Km先のペプシのベンダーまで、それもあるかどうか判らないのに探しには行く事は稀なのです。
小職は拘りが強く煙草(LARK)を吸っていた30代までは、LARKを取り扱っているの自販機や煙草屋さんは少なく、見つけるまでは他の煙草で我慢せずに、吸わずに探し回っていたのです(煙草の依存度も低かったのでしょうが)が、そんな人は稀なのです。だから小職は拘りが強い事もあり、商品への口出しをしていなく、コメントを求められると一般的な事ならともかく基本的には出
さないのですが、どうしてもなら最後にして、経営に特化しているのです。

日本は治安が良くベンダー(自販機)を僅かの現金しかないのに、バールで壊される事は稀であり、北米はバールで潰してでも小銭を盗む輩が存在するのです。酷い窃盗はスーパー等のレジに紐を付けて車で引っ張って盗んで逃げると言う荒っぽい泥棒迄存在しているのです。このような状況の差にて、日本ではベンダー(自販機)の設置を多く試みたコカ・コーラの戦略勝ちなのです。ワークマンプロの拡大を続けるのなら、早晩ワークマンのブランドの失墜が目に浮かぶのですが、思い過ごしであれば。但し小売業は走りながら是正できるので、気が付けば修正が掛かるものと期待していますが、1勝9敗もあるので。

83.イオンスタイル板橋前野店
数年前に華々しくデビューしたお店です。特徴はイオンリカーもワインが通常の安価なものから、27万円クラスの高額なものまでを展開し、日本酒の1カップ100円との試飲ができるコーナーを作ったりとアイデア満載の店だったのです。当時のこのブログでもイオンで27万円クラスのワインが売れる筈もなく、意図を持ってやっていると思われる施策の失敗も見えていたのです。これは「やって見ないと判らない施策」ではなく、「やる前にNGと判っていた施策」なのです。イオン碑文谷(過去の小職のこのブログに記載)同様なのです。小職の知人(百貨店層)数人に「GMSでワインを買うとしたら価格の上限は」、「百貨店で買うワインの価格の上限は」とヒアリングしていても、GMSでは4桁(千円台)までが限界との平均的なコメントでした。

また、日本酒の試飲ではリピータが根付かなく、途中で気に入ったお酒が見つかればその後はその銘柄のみのリピータになるのは明白です。新規客が多数来られるターミナル立地のお店ならいざ知らず、ローカルのお客様の顔を見ながらの商売を基本とするネイバーフッド型のお店ならなおさらなのです。地域の顧客とお店が合致していない顕著な事例なのです。すでに昨年夏のリニューアルでそのコーナーは消滅させたようですが、なぜ昨年夏までも放置していたのか不明です。もっと早く決断すべきだったのでは?

この様な例は過去に三越伊勢丹の首都圏地方郊外店を中心に、「こだわりグルメクラブ」という食品中心のお取り寄せをされていたのですが、上手く行かずに某執行役員店長からご相談されたことがあり、回答・提案の中に、同様のポイントの課題があり、修正を掛ける提案をさせて預いたのです。その店長は1回は実行されたのですが、人事異動にて店長が交代したら、元に戻っているのです。引継ぎや縦割りの課題満載なのです。

弊社は過去からコメントしていますように、「お困り事をヒアリングしてからの改善・改革提案型コンサル」(改革よりも改善が先)なので、NDA締結の上的確なご提案をさせて預き、無闇やたらとの提案を出す事はしていません。クライアントは「頭が痛いのに胃薬を飲んでいる」や、「右腕を怪我して出血しているのに、左腕を抑え痛くありません」と回答されてるように見受けられるのです。売上・利益の不足以外には「自社・自部・自分のお困り事でさえ見つけられていない」事が多いのです。

84.ARIO北砂
平日の夜遅くでしたので、ガラガラでした。

85.イオン妙典
上記84同様

上記84+85にも記載のように平日夜遅く20時~22時位の間は」閑散としているので、食品はともかく営業している必要があるのかは疑問です。既にカテゴリーにより営業時間の差は付けているのですが、もっと付けるべきでは、「町のインフラ」と称している企業もあるのですが、光熱費等の余分な支出による利益減少や従業員の働く環境も考慮すべきでしょう。実行されているとは思いますが、


現在は自社・自店がこれからどうあるべきか、それに向かって現状からどう進むべきかを構築する必要に迫られてきています。経済環境は間違いなく変化の兆しが見えています。どう変わるのかは別として、その中での自社・自店は何をすべきかが問われているのです。

是非とも、健全なる企業経営に向けて、早急に改善・改革される事を祈念致します。
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