小島 健輔

2019 25 Jun

渋谷区の忖度

     

 渋谷区で生活していると、思いがけなく体調を崩すことがある。先週末も区のスポーツセンターでトレイニングしていて長時間、受動喫煙を強いられてしまい、すっかり喉を痛めて寝込んでしまった。受動喫煙も一時間近くも続くとダメージが大きく、耳鼻科に通う羽目になった。
 西原にある渋谷区スポーツセンターは健康増進を目的とした公共施設なのに敷地内に空気清浄設備の無い解放喫煙所があり、そこから施設内のスポーツジムに大量の紫煙が流れ込んでくる。ここは子供達もたくさん集まる公共施設であり、喫煙所の向かいには幼稚園まであるのに、渋谷区はいつまでこんな無法を放置し続けるのだろうか。
 そう言えば、都心区で路上喫煙の取締条例がないのは渋谷区だけだし、公共の歩道上に堂々と喫煙所があって通行客に受動喫煙を強いるのも渋谷区だけだ。表参道も公園通りも決して快適なペーブメントではないし、文教地区に指定され子供たちが通学する表参道の裏通りも喫煙者天国状態だ。渋谷区では通学路はもちろん多くの公園も喫煙所と化しているが、渋谷区は取り締まる意思がない。
 渋谷区はファッションやITに積極的でビジネス志向が強いが環境保護には関心が薄く、受動喫煙については誰に忖度してか意図して放置している。半世紀近くこの街で暮らし原宿表参道地区のファッション業界で働いてきた一区民として、この耐え難い状況の是正を求めたい。
 喫煙は命を削るリスク覚悟で周囲に迷惑をかけず密かに楽しむべき薬物依存症で、本来なら阿片窟ならぬ紫煙窟でひとり悦楽に浸るべきものが堂々と歩道を歩き周囲に迷惑を振りまく現状は常軌を逸している。それをまた行政が何者かに忖度して放置する状況も法治国家とは言い難い。文教施設が多く外国人観光客も多く訪れる渋谷区がこのままで良いはずがない。一日も早く渋谷区の忖度に終止符が打たれるよう区民の抗議を広げたい。
     
     
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