北村 禎宏

2019 06 Dec

環境テロリスト

ネット上で「環境テロリスト」なる概念に接し、秀逸な表現と感服したので一筆起こすことにした。

 自販機からペットボトルの排除が相次ぐという記事に対するレスだ。世界規模でプラごみが問題になる中で、わが国の自治体や企業で拡販し始めた異常現象としか考えられない。デカデカと掲載されている写真の自販機がヤクルト(プラ容器盛り盛り)のそれであることから、アハハ…となったようだ。

 わが国のペットボトルのリサイクル率は80%を優に超えており、欧米におけるそれを倍ほど凌駕している。ということは、わが国の外なる声として批判を受けたり対策を強要される筋合いのイシューではないことは明白である。となると、誰かが閉じた世界でマッチポンプを演じているとしか考えられない。

 マッチポンプという日本語が今の若い人々に通じなくなってしまったのは寂しい限りであるが、正確な日本語で表現すると自作自演ということになる。つまり、客観的ファクトに基づいて公明正大な全体像の中で、べき論とべからず論が縦横に展開されているわけではなく、どや顔であたかも崇高な仕事を成し遂げたことにしたいマスターベーション族による、いわれのない災害がマッチポンプということになる。

 国全体においては政府および自治体に、企業内においては総務系人事系にそのような害人が生息している可能性が高い。害人にまでいたらなくても、あらゆる事象に過剰反応するトレンドは抗しがたい迷惑な向かい風だ。

 働き方改革もしかり、各種のハラスメントもしかり。このままでは国も自治体も企業も、そして人々そのものが競争力どころか生命力を失って滅びかねない辺境に追いやられつつある。