北村 禎宏

2019 14 Dec

男前企業

 9月から12月にかけて月一のペースで那須塩原に四回通った。二泊三日での問題解決に関する熱いディスカッションだった。9月は短パンTシャツの人も少なくなかったが、今週はうっすらと雪化粧する季節の移ろいを感じながらの日程は刺激的かつ快適なものであった。

 雄大な景色に囲まれた広大な敷地に、アメニティも充実した立派な施設がスタッフも含めてすべてが自前で用意されている。休憩中に窓の外に目を向けると、そこでは野生のサルたちが群れをなして地面のエサを拾って口に運んでいる。子ザルもいて、思わずほっこりさせられる。

 来訪者が皆無の日々も少なくないと思われるが、スタッフの方々のモチベーションとホスピタリティも極めて高いレベルにあったことが強く印象に残っている。地元の食材をふんだんに使った料理も最高で、毎回1キロ~2キロほどの体重を増やして帰ってきた。

 箱もの行政はいかがなものかと考えなければならないが、寮や研修施設を手放すリストラを敢行した企業には悔やみきれないものが残ってはいないだろうか。資産と費用を惜しみなく投下して自己のアイデンティティを内外に指し示す。これぞ私企業の私企業たるゆえんだ。

 NYのビルを買っても何もグッと突き刺さるものはなかったが、このような男前行為を現実のものとして体感するとお金の使い方って大事だと改めて考えさせられた。来年も是非再訪したい、那須高原。