北村 禎宏

2019 02 Jun

ビジネスモデルの寿命

ドラッグストア業界再編の足音が騒がしい。

 再編されて久しい百貨店業界はその後も青息吐息だ。越後屋までさかのぼれば数百年。近代的百貨店業態になって一世紀を経てその存在意義が問われている。一部の好立地館のみがディベロッパーとして生き残ることができるに過ぎないのか…。

 彗星のごとく登場したスーパーマーケットも半世紀の時間のなかで疲弊の極みにある。SCもしかりだ。SPAという言葉もすっかりなりを潜めてしまった。52週のMDがいったい何の役に立つのか。そんな中、小売りで気を吐いているのはドンキとワークマン。多くの小売りがネット通販にとって代わられつつある今、目的をもって検索することができないサプライズ商品に出会える業態は繁盛している。

 インターネットなるものが世に表れて30年近い歳月が流れた。2030年頃にやってくるであろう汎用型AIが実稼働し始めた暁には、業界地図はもっと大胆に塗り替えられることが予想される。

 アパレルとはいったいいかなる存在意義があって、ファッションとは社会にとって何なのか。そんな根本的問いが問い直されているのが今であり、その答えはテクノロジーの延長線上にはなくカルチャーというトラックの上に存在している。